俳優・菅田将暉とヤン・イクチュン主演の映画『あゝ(あぁ)、荒野』(2017年公開)の追加キャストが27日、明らかになった。

上段左からユースケ・サンタマリア、木村多江、でんでん。中段左から山田裕貴 、木下あかり、今野杏南。下段左からモロ師岡 、高橋和也

原作は、故・寺山修司さんが1966年に遺した唯一の長編小説となった同名小説。2011年には嵐・松本潤が主演し、故・蜷川幸雄さんの演出によって舞台化された。現代の新宿を舞台に、少年院あがりの新次(菅田)と、吃音と赤面対人恐怖症に悩む"バリカン"(ヤン)は、社会に見捨てられ、もがきながらもボクサーとしての道を進んでいく。映画『二重生活』岸善幸監督がメガホンをとった。

今回は、2人に影響を与えるボクシングジムのトレーナー・通称"片目"こと堀口にユースケ・サンタマリア、ヒロイン・芳子に木下あかり、新次の宿命のライバルに山田裕貴、新次の母親・京子に木村多江、闇の研究会メンバー・恵子に今野杏南という新キャスト陣が発表となった。さらに、でんでん、モロ師岡、高橋和也などの実力派俳優が脇を固める。

トレーナー役のユースケは「慌てて鍛え始めました。腹筋は割れかけてきてる」と報告。さらに「共演するふたりは、すごい芝居をする奴らだってっていうのは知ってるんだけど、最初から堀口(片目)という役どころでふたりを見ているので何だかとても可愛く見えて、可愛くてしょうがないという感じです(笑)」と、主演の2人への愛情を示した。

山田は「本当にいつかボクサーの役をやってみたいと思っていて、ようやくオーディションのチャンスを頂き、裕二役を生きれることになり、死ぬ気でトレーニングをして気合を入れています」と告白した。

さらに山田は、初共演の菅田について「いつかご一緒したいと思っていた」と明かし、「アクションをアクションとしてやってしまうと型に見えてしまうので、時にはハートでぶつかり合ってリアルに演じていけたらと思っています」と役作りについて語った。そして「生きざま、言葉はなくとも、拳で……心で語り合う。ボクシングシーンではそんなシーンを作りたいです」と意気込んだ。

ヒロインの木下は「監督の1シーン1カットへの愛情を感じながら、カメラマンの夏海さんのカメラワークの中にいられることがとても幸せです」と撮影の楽しさを語る。木村は「現場では、監督との話し合いで、演じる道すじが決められ、ドキュメンタリーの様に、感情が映し出されていく。でも、いつも行き先は決まっていない」と岸組の独特な撮影方法について触れた。