産業用バタフライバルブメーカーの巴バルブは9月26日、バルブ作動を常時記録することができるクォーターターンバルブの作動記録ユニット「TPro1100」と、作動記録ユニットを遠隔通信で操作できるリモートコントロールユニット「TPro1700」の提供を11月1日より開始すると発表した。

クォーターターンバルブの作動記録ユニット「TPro1100」

リモートコントロールユニット「TPro1700」

各種工場・プラントでは、配管内の流体の噴出・漏洩事故が増加傾向にあり、プラントや各種製造装置で使用される流体制御機器であるバルブの健全性を装置やプラントの運転中に確認したいという要望が高まっている。また、生産品の品質や生産計画への影響を最小限に抑えるために、装置の故障を事前に検知し、バルブ交換などの予防措置策を講じる予防保全活動も活発になっている。バルブの予防保全を実現するためには、バルブ作動状況を常時監視し、異常発生を早期に検知・対処する必要があるが、制御用ソフトウェアの変更や部品の追加工事などが必要となり、数十万円から数百万円におよぶ改修費用が必要となる。

これに対し「TPro1100」と「TPro1700」は、既存設備のソフトウェア改修を行うことなく、バルブ作動の常時記録を実現する。「TPro1100」はバタフライバルブに限らずクォーターターンバルブの作動情報を記録でき、開閉の動きを常時記録し開閉テストや固着予防のためのバルブ制御を実行する「制御記録モード」と、他の制御機器から制御されるバルブの開閉を常時記録する「データロガーモード」を搭載。常時記録ではバルブ基準開閉時間を自動学習し、開閉作動するごとに開閉基準値内であるかを評価し、シーケンサーなどの外部機器に伝えることができる。また、温度や圧力、流量など市販のセンサーを接続できるほか、部分作動検査やバルブを設定時間ごとに微小角度開閉して固着を予防する固着予防機能も搭載している。「TPro1700」は1台で15台の「TPro1100」を制御可能で、開閉や部分作動検査を指示できるほか、「TPro1100」の状態をLEDインジケーターで表示する。これらの製品を利用することで、バルブ開閉異常をリアルタイムで検知できるため、装置が停止している時間帯で計画的にメンテンナンスを実施できるようになるほか、作動情報をPCに集約することで現場のIoT化における他機器やシステムとの連携を図ることが可能になるとする。

標準価格は「Tpro1100」が48.2万円で、「TPRo1700」が23.8万円。また、「TPRo1100」の状態管理およびデータ収集、設定変更を行う機器設定・情報収集ソフト「Tpro1900」が無償で提供される。

なお、今回発表された新製品は10月26日~28日に東京ビッグサイトで開催される「スマートエンジニアリングTOKYO 2016」に出展される予定。