左から二海堂晴信役の岡本信彦、桐山零役の河西健吾。 (c)羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会

羽海野チカ原作によるアニメ「3月のライオン」の試写会が本日9月23日に行われ、桐山零役の河西健吾、二海堂晴信役の岡本信彦、シャフトの代表取締役・久保田光俊氏、NHKの土橋圭介チーフプロデューサーが会見に登場した。

河西は「アニメの冒頭9分くらい(零が)しゃべらないまま進んでいくのは、正直アフレコしながらどうなんだろうと思っていたんですが」と、原作マンガと同じく幸田柾近との対局が終了するまで声を発さない零にやきもきしていたことを明かす。しかし「素晴らしい曲がバックに流れていて、飽きさせない演出でした。素晴らしいものができたと思いました」と喜んだ。

これを受けて岡本も「しゃべらない前半だったので、普通は5時間くらいかかる収録現場が2時間半くらいで終わりまして(笑)。そのあとみんなでごはんに行き、お互いの意気込みを語り合ったりしました」と収録エピソードを披露。また将棋好きとしても知られる岡本は「僕は『3月のライオン』に本当に出たかったんです。オーディションの話をいただいた段階でうれしくて、二海堂役に決まったときは本当にうれしかった」と満面の笑みを浮かべる。そして「声優界でもっと将棋を流行らせたい」と野望を語った。

「約1年ほど前から制作が始まっていた」と明かすのは久保田氏。「だいぶ第1話に時間をかけて。羽海野先生の原作を新房昭之がどう再現していくかを大事なテーマに置きながら、キャラクターたちのリアルな人間像をどう表現していこうかと現場でトライ&エラーを繰り返しました」と制作サイドの思いを話した。

続けて岡本は「『3月のライオン』の見どころは、しっかりした既存の棋譜を使っているところ」と分析。「将棋は指す専門や見る専門、いろいろなファンがいると思うのですが、実際の棋譜を使っているので見ごたえがあります。でもこの作品のすごいところは、将棋を知らなくても面白いところ。アニメも、空気感を大切にしていて素晴らしいんです」と熱弁した。

アニメ「3月のライオン」は10月8日より、NHK総合テレビにて放送スタート。原作マンガの最新12巻は、通常版と西尾維新とのコラボ小説付きの特装版ともに9月29日に発売される。

(c)羽海野チカ・白泉社/「3月のライオン」アニメ製作委員会