IBMは9月16日、三菱東京UFJ銀行と、ブロックチェーン技術を通じて外部委託業者等のビジネスパートナー間の契約の管理・履行方法の設計を検討することに合意したと発表した。

まずは、両者間での取引を自動化するブロックチェーンの試験運用から開始する。これは、オープンソースのブロックチェーン・プラットフォームであるハイパーレジャー・ファブリック上に構築された、実際の契約管理のためにブロックチェーンを利用する最初のプロジェクトで、IBMのクラウドの上で構築される。

IBMと三菱東京UFJ銀行は、組織間における サービス・レベル・アグリーメント(SLA)の効率化やアカウンタビリティを向上するために、ブロックチェーン上で動くスマート・コントラクトのプロトタイプを開発。三菱東京UFJ銀行は2017年度より、行内部署間でのアグリーメント等を本システムで管理する。加えてIBMと三菱東京UFJ銀行との間での契約書も2017年度中に本システム上で管理することを目指す。更に業務の効率化を高めるべく、機器の納入や利用状況をセンサーで監視し、このセンサーからの情報を基に、請求書の発行や支払の自動化にも取組む。

また、IBMはシンガポール経済開発庁とシンガポール金融管理局の協力のもと、IBMリサーチ部門主導によるグローバル初のIBM Center for Blockchain Innovationをシンガポールに開設した。マリーナベイのWatsonセンターに位置する同センターは、シンガポールを金融、貿易および商業におけるイノベーションの目的地のトップに押し上げ、企業向けのブロックチェーンならびにコグニティブ技術における深い能力や専門知識、業界リーダーシップのグローバル・センターとして確立することを目指す。