シーメンスPLMソフトウェア(シーメンスPLM)は9月15日、同社のCAD/CAM/CAE統合ソリューション「NX」の次世代バージョンである「NX 11」を正式に発表した。

NX11では同社が「これまでにないまったく新しいモデリング・テクノロジー」であるとするコンバージェント(集約型)モデリングを実現。コンバージェントモデリングについてシーメンスPLMは「これまでの製品設計は、いわば一般的に利用可能な材料と製造方法に基づいています。しかし、付加製造などの新しいテクノロジーは、より高いパフォーマンスを発揮できるフォルムと形状の設計を創造する扉を開きます。従来のCADテクノロジーは製造方法をサポートするように設計されていますが、いざ付加製造用に設計を最適化しようとすると限界に突き当たります。コンバージェント・モデリングは、付加製造で利用可能な材料とテクノロジーを使って最適で新しい形状を迅速に作成できる柔軟性を提供して、こうした限界を取り払います」と説明。

これまで、不規則な形状のスキャンデータのファセット・ジオメトリをサーフェスやソリッドの形式に変換する作業は多くの時間を要していたが、コンバージェントモデリングではスキャンしたデータをNX 11で直接操作できるファセットとして取り込むことで、この修正作業のほとんどを不要にする。このリバース・エンジニアリング機能と、新しく追加された3Dプリント機能を組み合せることで、NXからダイレクトに3Dプリントを実行できるため、付加製造プロセスを大幅に簡素化することができる。

このほか、シミュレーション製品であるSimcenter 3DがNXで利用できるようになるなど、コンバージェントモデリング以外の機能拡張も図られている。「NX 11」の概要については6月に開催された記者説明会のレポートでも紹介しているのでこちらも参照されたい。