ANAは9月15日、ボーイング787のエンジン不具合に伴う運航便の調整に関して、国内ダイヤの精査を行った結果、10月以降も全便欠航なしで運航することを発表した。

エンジンの不具合に関する国内線欠航は、8月26日~31日の国内線で18便のみとなる

同件は、ボーイング787に搭載されているロールスロイス社製エンジン「Trent1000」の不具合により、ANAの自主的な判断として、ANAが保有する787の全50機(国際線仕様37機、国内線仕様13機)に対しエンジン交換を行うとしたもの。

同エンジンは、2016年2月22日のANA816便(クアラルンプール=成田)、また3月3日にANA858便(ハノイ=羽田)において離陸後に不具合が判明し、出発空港に引き返す事象が発生。国内線に関しては、8月20日にANA609便(羽田=宮崎)において、離陸後に同様の事象が発生していた。

787に搭載されているエンジン「Trent1000」の不具合は、中圧タービンブレードの腐食による亀裂が原因

ANAによると、必要な整備作業を行うための国内線ダイヤの精査を行ったところ、今後の欠航便が発生する恐れは解消したとのこと。なお、エンジンの不具合に関連した欠航は、8月26日~31日にかけて国内線で18便(26日だけで国内線9便)で約3,000人に影響、27日~31日においては国内線9便で約2,300人に影響が出ていた。

今後の恒久的な対策として、硫化腐食に強い改修型ブレードが装着されたエンジンへの交換を予定。それまでの間、取り卸したエンジンに対しては、新品もしくは使用履歴が少ない現行型ブレードを装着し、亀裂発生を防止する。なお、現行型ブレードであっても、新品もしくは使用履歴が少ないものについては、安全上の問題はないとしている。加えて同件は、2013年1月に発生したバッテリーの不具合に起因する重大インシデント事象との関係性はないとしている。