ソニーは9月8日、ハイレゾ対応のハイエンドヘッドホン「MDR-Z1R」を国内発表した。発売は10月29日で、価格はオープン。推定市場価格は200,000円前後(税別)。

MDR-Z1R

MDR-Z1Rは、ソニーの高音質技術を集結したフラッグシップシリーズ「Signature Series (シグネチャーシリーズ)」製品群の密閉型ヘッドホン。ベルリン時間の9月1日に、「IFA2016」にて海外発表されたが、このたび国内での発売概要が明らかになった。

アーティストが思い描いた音だけでなく、音楽を聴いている空間にただよう「空気感」の表現を目指して開発。組み立てはプロ向けのオーディオ製品を生産している国内の工場で行い、シリアルナンバーを刻印して出荷する。

振動板の断面図。中央に薄膜のマグネシウム、エッジ部にアルミニウムコートLCPを採用

70mm径の大型ダイナミックドライバーを搭載し、120kHzの超高域再生に対応する。振動板のドーム部には薄膜のマグネシウムを使用。ボイスコイルで発生した振動をドーム部に効率よく伝達する。また、アルミニウムコートLCPのエッジ部との組み合わせにより、色付けのないクリアな音を実現する。ドライバーユニットのグリルには、フィボナッチ数列を参考にした曲線のパターンを採り入れ、開口を均等化。ソニーのヘッドホン史上最大のネオジウムマグネットを搭載し、磁束を極限まで高めたという。

ドライバーユニットの構成。フィボナッチ数列のグリルを使用している

通気性のあるパルプ製レジスター、ステンレスワイヤーを編みこんだハウジングプロテクター、ハウジングフレームを組み合わせた「レゾナンスフリーハウジング」を採用。ハウジングの通気をコントロールし、密閉型ヘッドホン特有の共鳴を除去する。また、ハウジングの形状に平面となる部分がないことも、共鳴の抑制に寄与している。

パルプ製レジスター、ハウジングプロテクター、ハウジングフレームを組み合わせた「レゾナンスフリーハウジング」

ハウジングプロテクターはステンレスワイヤーを編みこみ、曲面に成形。クロム化合物コーティングを施し、表面硬度を上げることで、耐摩耗性を高めている

装着感にも配慮しており、ヘッドバンドは芯材に軽量なベータチタンを、ヘッドバンドカバーの外側に高耐久な牛革を採用。このほか、厚みのある低反撥ウレタンフォームと羊革を使った立体縫製イヤーパッド、アルミ合金で出来たハンガーやスライダーを装備している。

羊革製の立体縫製イヤーパッド

スライダー部分。ここにシリアルナンバーが

ケーブルは着脱式で、3.5mmステレオミニケーブル(約3m)、4.4mmバランスケーブル(約1.2m)、6.3mm変換ジャックが付属。ケーブルも一緒に保管できる専用ハードケースも同梱する。主な仕様は、再生周波数帯域が4Hz~120kHz、インピーダンスが64Ω、感度が100dB、最大入力が2,500mW、重量が約385g(ケーブル含まず)。

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