コンカー代表取締役社長の三村真宗氏

コンカーは9月7日、Sansanとヴァル研究所とともに、近隣交通費のコスト適正化と従業員の生産性向上を目的とした連携サービスを提供すると発表した。コンカーでは、さまざまなサービスと連携を強化する「オープンプラットフォーム」戦略を推進している。今回の連携もそのひとつとなる。

コンカー代表取締役社長の三村真宗氏は、経費精算作業に掛かる生涯時間は52日、人件費に換算すると144万円にもなるという同社の調査結果を発表。つまり、近隣交通費精算を自動化することで、大幅な生産性向上が見込めると話した。

経費精算の処理ボリュームにおいて近隣交通費は51%を占める

同日に複数以上の訪問予定がある場合の経路検索や経費精算作業は、カレンダーへの予定登録から、近隣交通費の経費精算までに7つのステップが存在する。現状では、そのほとんどを手作業で行っていることが多く、作業者の負担になっているという。三村氏は、「今回発表した3社連携サービスを活用することで作業を自動化でき、2ステップにまで削減できる」と述べた。

交通費精算における作業を自動化

連携サービスは、名刺管理クラウドである「Sansan」、ヴァル研究所が開発したカレンダー連携ツールである「RODEM」と路線検索サービス「駅すぱあと」、および経費精算クラウド「Concur Expense」をクラウド連携することで実現する。

「Sansan」は、法人向けクラウド名刺管理サービス。名刺をスキャナやスマートフォンのカメラで読み取ると、名刺情報がデータ化され、組織内で名刺情報を共有できるサービス。また、ヴァル研究所の「RODEM」はカレンダーに打ち合わせ予定(訪問先会社名と時刻)を入力すると、RODEMが移動経路や出発時間を自動で算出し、カレンダーに登録するサポートツール。

4つのクラウドサービスを連携させることで交通費精算の自動化を実現

ヴァル研究所代表取締役の太田信夫氏

まず、スケジュール(Office365、Google Calendarなど)に複数の予定(訪問先会社名と時刻)を入力すると、RODEMが訪問先の会社情報を自動検索する。続いて、Sansanに格納された名刺情報を確認し、正しい所在地を特定する。その後、駅すぱあとが各訪問先の移動時間と交通費を計算し、乗り換え情報などを自動的にスケジュールに登録する。掛かった交通費は、Concur Expenseに自動登録されるため、経費精算時に再度入力せずに済むという。

ヴァル研究所代表取締役の太田信夫氏は、「日頃、交通費精算で面倒に感じていることが解決できるサービスとなっている。Concur ExpenseやSansanを契約する顧客向けに3カ月の無料キャンペーンも考えている」と述べた。

自動精算の流れ

同サービスの提供開始は、2016年10月中を予定。価格は、Concur ExpenseとSansanをそれぞれ契約している場合は、RODEMの利用料金(価格は未定)のみで利用できる。今後、3年間600社の販売を見込むという。