関西大学は9月7日、同大学の宮本勝浩名誉教授が試算した「2016年広島東洋カープ優勝の経済効果」の経済効果を発表した。経済効果は、地元・広島県で約331億4,916万円となるという。

「優勝の経済効果」とは、優勝した年に優勝しなかった年と比べてどれだけ経済効果が増加したかを示すもの。

試算は、球場に来場したファンにより増加した消費金額、地元の百貨店や商店街での優勝セールおよびファンの飲食などの消費額、広島東洋カープの増加する放映権、監督・選手のテレビ、ラジオ、新聞、雑誌などへのマスコミ、CM、座談会、サイン会などへの出演による収入増加額、地元の銀行による「カープ預金」の投資効果、優勝パレードが実施された時の消費効果を合計したもの。直接効果の原材料売上増加分の「一次波及効果」、直接効果と一次波及効果で売上が増加した企業や店舗などで働く人の所得増加分の消費「二次波及効果」も含まれる。

今シーズン"神ってる"勝利を積み重ねて全国で熱狂的な「赤ヘル旋風」を巻き起こし、1991年以来25年ぶりの優勝を目前にしているプロ野球セ・リーグの広島東洋カープ。宮本名誉教授は、「カープ女子」や本拠地「マツダズームズームスタジアム」をはじめとする集客力、地元金融機関の「優勝預金」等が今回の経済効果の大きな要因であると分析している。また、阪神タイガースや読売ジャイアンツには及ばないものの、過去の他球団の優勝と比較しても、非常に大きな経済効果であると述べている。

なお過去の優勝の経済効果を見ると、2003年阪神タイガースは1,481億円(宮本研究室)、2005年千葉ロッテマリーンズは397億円(ちばぎん総合研究所)、2005年阪神タイガースは643億円(宮本研究室)、2006年中日ドラゴンズは220億円(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)、2007年読売ジャイアンツは418億円(日興コーディアル)、2010年中日ドラゴンズは215億円(共立総合研究所)、2013年東北楽天ゴールデンイーグルスは230億円(宮本研究室)、2014年阪神タイガースは429億円(宮本研究室)と試算されている。

※画像は本文と関係ありません