厚生労働省は9月5日、2016年7月の毎月勤労統計調査(速報、事務所規模5人以上)を発表した。それによると、名目賃金に当たる現金給与総額は前年同月比1.4%増の37万3,808円となった。

賃金・労働時間・常用雇用の推移(厚生労働省HPより)

ボーナスの増加や物価の下落が要因

現金給与総額に物価変動の影響を考慮した実質賃金指数は同2.0%増と、6カ月連続のプラスとなった。伸び率は、6カ月連続で前年を上回った。ボーナスの増加などで名目賃金が増えたほか、消費者物価指数の下落が実質賃金を押し上げているようだ。

所定内給与は同0.4%増の24万1,518円、所定外給与は同1.8%減の1万9,140円、所定内給与と所定外給与を合わせた「きまって支給する給与」は同0.3%増の26万658円。ボーナスなどの「特別に支払われた給与」は同4.2%増の11万3,150円となった。

現金給与総額を就業形態別にみると、一般労働者は同1.4%増の49万2,066円、パートタイム労働者は同0.6%減の10万2,069円だった。

総実労働時間は同2.3%減の146.8時間。うち所定内労働時間は同2.3%減の136.1時間、所定外労働時間は同1.9%減の10.7時間だった。また製造業の所定外労働時間は同1.3%減の15.7時間で、季節調整値では前月比0.5%減となった。

常用雇用者数は前年同月比2.1%増。うち一般労働者は同2.2%増、パートタイム労働者は同1.5%増となった。

同省は、「前月と同じ伸び率となった要因は、ボーナスなど特別に支払われた給与が増えたことが影響しているようだ」とコメントしている。