NECディスプレイソリューションズは9月6日、会議運営の効率化を図ることを可能とするワイヤレスプレゼンテーション機器「MultiPresenter Stick」を発売した。

同機器は、会議の際に生じるPCとプロジェクタのケーブルでの接続を不要とし、かつプレゼンデータの共有によるペーパーレス化などを実現するもの。外形寸法117mm×47mm×14mm、重量約49gと小型軽量なスティックPCであり、外出先での利用も可能だ。

「MultiPresenter Stick」の外観。スティックPCタイプの形状をしており、持ち運びや保管も容易に行える

プロジェクタやモニタとはHDMI端子で接続し、AC電源とつなぐだけでシステムが起動し、画面上に表示される4桁のPINコードを、会議参加者のクライアント端末にインストールした専用ソフトウェアを起動させ、入力するだけでワイヤレスの設定不要でクライアントの画面をプロジェクタや外部モニタ上に表示することが可能。また、クライアント端末の対応OSはWindows 7/8.1/10、Mac OS X 10.7以上、Android 5.0/5.1/6.0、iOS 7/8/9となっている(iOSとAndroidはAPP Store、Google Playから、WindowsとMacOSは同社Webサイトから無料アプリをダウンロードして利用)。

左がMultiPresenter Stickのホスト画面。右がクライアント端末のアプリ画面。ホストに表示されているPINコードを入力するだけで、自動的に接続先を探して、プレゼンを始めることができる

さらに、MultiPresenter Stickとダイレクトに無線接続する場合は12台までのマルチ表示が可能だが、外部のアクセスポイントを活用した場合は最大16台までのマルチ表示(接続そのものは50台)が可能となる。加えて、PINコードに併記されるURLを入力することでブラウザでの閲覧も可能。AndroidとiOS端末では、メモを書き込むことも可能だという。

左は4台のPCをマルチ表示した際の様子。右は5台のPCをマルチ表示した際の様子

こうしたプレゼンテーションのPCとプロジェクタを無線で接続するソリューションとしては、Intelが先行して「Intel Unite」を展開しているが、MultiPresenter StickはそのNEC版とも言える。搭載している機能としても、クライアント端末のマルチ表示やファイル共有などほぼ同じと言える。大きな違いとしては、実際に使えるようになるまでの準備の手軽さと、日本での利用を意識して作られたユーザーインタフェース、そして日本企業としてのサポートといったところだろう。

なお、価格はオープンとしているが、同社のSOHO/企業向けショッピングサイトである「NEC得選街」での販売価格は3万3000円(税別)としており、出荷は9月13日からを予定。発売後1年間で国内外合わせて1万台の販売を見込むとしている。