日立製作所と日立ビルシステムは9月2日、日立が開発したヒューマノイドロボット「EMIEW3」を活用した旅客サービスの実証実験を、9月2日から羽田空港国内線第2旅客ターミナルで開始すると発表した。

今年4月に発表された「EMIEW3」は公共スペースや商業施設などで、サポートを必要とする人のもとに自ら移動し、接客・案内などのサービスを通し、業務の支援を目的に開発したヒューマノイドロボット。

「EMIEW3」

身長90cm、重さ15kgの小型かつ軽量のボディであり、人と協調して移動できる最大移動速度6km/h、15mmの段差乗り上げ機能を備える。

また、音声・画像・言語処理などの知能処理をロボットの外側で行うリモートブレイン構成を採用し、高度な接客、案内サービスの提供を可能としたという。また、人の動作やネットワークカメラとの連携による環境認識により、サポートを必要とする人を見つけて自ら接客行動を開始する。

実証実験では、「EMIEW3」の持つ多言語対話機能や自律走行機能を活用し、店舗、施設などの情報案内や目的地への誘導を行う。これらの案内業務サポートを通して、多様なお客さまに合わせたサービス品質の向上、案内方法の最適化によるスムーズな移動の実現などを行っていく。

実験は、3つのステップに分けて行われる。ステップ1では、「EMIEW3」が専用の案内カウンターで空港利用者を迎え、日本語と英語の2カ国語で応対。空港利用者の問いかけに対し、案内カウンターの隣に設置した案内情報ディスプレイと連携し、ディスプレイに表示された地図や、空港施設の概要、店舗の写真などの情報を用いて案内を行う。

ステップ2では、「EMIEW3」が空港利用者の問いかけに対し、自律走行により案内情報ディスプレイまで誘導し、回答と説明を行う。

12月頃に予定されているステップ3では、目的地までの案内を希望する空港利用者の要望に基づき、「EMIEW3」がフロア内をより広範囲に走行し目的地まで案内する。

実証実験 ステップ1とステップ2のイメージ