JR北海道は2日、連続した台風による被害状況と復旧の見込みについて発表した。函館~札幌間を結ぶ大動脈である特急「スーパー北斗」「北斗」が全面運休になっている函館本線は、3日夕方の運転再開をめざすとされた。

根室本線新得駅構内、下新得川橋りょうの被害状況(写真はすべてJR北海道提供)

函館本線大沼~長万部間の電気設備被害状況。野田生~山越間(写真左)と黒岩~北豊津間(同右)

JR北海道管内では、とくに被害が多発した根室本線を中心に、石勝線・石北本線、函館本線などで路盤や橋りょうの流出、倒木による電柱破損と電線切断が発生。このうち、500本以上の倒木があった函館本線では、線路上の倒木の撤去と電気通信設備の復旧作業が懸命に進められているという。予定通りに進めば、運転見合わせから4日ぶりに列車が走ることとなる。

台風9号にともなう大雨の影響で川が増水し、上川~中越信号場間で路盤が流出してしまった石北本線では、10月中旬の運転再開をめざし、仮設護岸での応急復旧作業を進める。すでに9月1日から、上川~遠軽間でバス代行もスタートした。

根室本線については被災箇所が多いことから運転再開のめどが立たず、札幌~釧路間の特急「スーパーおおぞら」、札幌~帯広間の特急「スーパーとかち」は当面、全面運休に。今後、現地の調査を進めるとともに、河川管理者との協議を進め、改めて復旧見込みを発表するとした。長期運休が見込まれるため、札幌~トマム間と帯広~釧路間で臨時列車を運転し、トマム~帯広間で代行バスを運行することで札幌~釧路間を結ぶ準備を進めているという。その他、根室本線富良野~新得間と釧網本線も被害状況を調査中であるとしている。