武田薬品工業(武田薬品)は9月1日、多発性骨髄腫に関する非介入のグローバル観察研究「INSIGHT-MM」の患者登録を開始したと発表した。

多発性骨髄腫は形質細胞のがんであり、骨髄が病巣となる。悪性化した形質細胞には骨を脆くする作用があり、多くの骨に影響を与え、結果として圧迫骨折、溶解性骨病変や関連疼痛に繋がることがある。また、骨、免疫系、腎、赤血球数に影響を与え、骨痛、倦怠感、貧血などの典型的な症状を伴うことが多く、重大な健康障害を引き起こす可能性がある。新規に同疾患を発症する患者数は、全世界で11万4千人となっている。

同研究は、症状のパターン、患者特性、治療、転帰を追跡し、実臨床下において多発性骨髄腫の知見を深めることを目的としたもので、骨髄腫の専門家の国際運営委員会主導のもと、ルーティンで行われる診察、医療記録、患者報告アウトカムを収集する。非介入研究であるため、治療方針が決定されたり治療が変更されたりすることはなく、主治医の判断により通常の治療が行われる。

研究参加施設は世界150以上になり、3年間で5000名の登録を目指す。研究はオープンになっているため、多発性骨髄腫に関わる人が分析の提案を行うことや、研究機関を通じて収集されたデータを要求することが可能。

武田薬品は「本研究は本疾患の相違や傾向をグローバルで明らかにするために十分な規模です。データベースのサイズを大きくするため、また、本研究で得られる多発性骨髄腫の確固たるデータにより、本疾患の状況を一変させることができるよう、他の同様の研究からも協力いただきたいと考えています」とコメントしている。