リニアテクノロジーは8月31日、高集積の高電圧マルチケミストリ同期整流式降圧バッテリ・チャージャ・コントローラ「LTC4013」の販売を開始した。

同デバイスは入力電圧範囲が最大60Vと広く、温度補償された3段階および4段階の充電アルゴリズムにより12Vおよび24Vの鉛蓄電池を効率的に充電可能。また、入力電源に近いフロート電圧でマルチセルのリチウム・ベース・バッテリ・スタックを充電することもできる。充電電流のレギュレーション精度は±5%で、1本の抵抗を使って(外付け部品の選択に依存して)最大20Aの充電電流を設定可能だ。さらに、ユーザーが調整可能な最大電力点追従制御(MPPT)回路を搭載しており、ソーラー・パネルなどの電力が制限された電源を使用する場合の電力最適化が可能。MPPT開回路電圧法により、ソーラー・パネルの温度センサを追加しなくともパネル温度の変化を補正することができる。

また、LTC4013は高効率充電を行うためにNチャネルMOSFETを使用し、0V~60Vとバッテリ充電電圧範囲が広いのも特長。主な充電機能は、ピンストラップによる設定や設定抵抗を使って調整可能で、バッテリの種類に応じて、あらかじめ定義されている複数の充電アルゴリズムから選択することができる。開放型、密閉型、ゲル式などの鉛蓄電池タイプに対しては、フロート充電、時間設定可能な吸収充電、均等化充電などの複数の充電段階をサポートする。リチウムイオン/ポリマー・バッテリ向けには、定電流/定電圧充電アルゴリズムを備えている。加えて、SYNC入力により、スイッチング周波数を外部クロックに同期させて、特定の周波数範囲のノイズを回避したり、ノイズ・フィルタのターゲットを特定の周波数に絞ることも可能。

同製品は優れた熱性能を得るためのエクスポーズド・パッドを備えた小型28ピン 4mm x 5mm QFN パッケージで供給される。EグレードとIグレードのデバイスは、-40℃~125℃の温度範囲で動作し、Eグレード・デバイスの1000個購入時の参考単価は3.95ドル~となっている。