TowerJazzとパナソニック・タワージャズセミコンダクター(TPSCo)は、積層型ディープフォトダイオードを採用したCMOSイメージセンサ(CIS)技術を発表した。

従来、CMOSイメージセンサにおける近赤外(NIR)を用いた撮像の場合、P型基板上に厚膜エピを処理して感度を向上させているが、この方法ではクロストークが悪化し、暗電流も増加するといった課題があり、高感度(高量子効率)と高解像度(画素間の低クロストーク)の両立は困難とされていた。今回開発された技術は、積層型ディープフォトダイオードを採用することで、NIRでの高感度および低クロストークの両立を実現。特に自動車分野では、高温下における暗電流の低減を可能とすることから、採用が期待されるとしている。

また、同技術は自動車分野以外にも、コンシューマ、セキュリティ、産業分野などにおける2次元ジェスチャ認識およびジェスチャコントロールでも活用が期待されるとも同社は説明している。

なお同技術は、すでに日本の富山県魚津市の300mmウェハ対応ファブにて65nm CISプロセスベースを用いて車載とセキュリティ分野に向けて生産段階に入っているとするほか、日本の新井工場の110nmファブや、イスラエルのミグダルハエメクの180nmファブでも、新設計の開発向けとして利用可能になる予定だという。

積層型ディープフォトダイオードを採用したCMOSイメージセンサの自動車への適用イメージ