島津製作所は8月29日、乳がんの手術における転移診断を支援する近赤外光カメラシステム「LIGHTVISION(ライトビジョン)」を発売した。

同システムは、リンパ管に投与された薬剤ICG(インドシアニングリーン)に励起光を照射し、ICGから発生した肉眼では見えない微弱な近赤外光を撮影して画像化するというもので、組織表面下のリンパ管をリアルタイムで造影することができる。

このように、手術中にリンパ管を「見える化」することで、執刀医は、切除するリンパ節の位置などをモニタで確認しながら手技を進めることが可能となり、特に乳がんの手術においては、がん細胞の転移を診断するために重要なセンチネルリンパ節の位置同定に有効となる。

また、ハイビジョン画像センサを内蔵しており、高精細な画像の描出が可能。3画像同時表示への対応によって、可視+近赤外蛍光画像・近赤外蛍光画像・可視画像をリアルタイムでひとつのモニタに表示でき、ひと目で画像の確認や比較をすることができる。可視+近赤外蛍光画像においては、蛍光箇所を緑色や青色で示すことも可能。カメラアームは約180cmまで伸ばすことができ、最大倍率10倍の電動ズームや自動フォーカス、自動露光調整、自動ホワイトバランス調整に対応している。

価格は、2400万円(税別)からとなっている。

近赤外光カメラシステム「LIGHTVISION」