帝国データバンクは8月25日、人手不足に対する企業の動向調査結果を発表した。調査期間は7月15日~31日、調査対象は全国2万3,639社で、有効回答企業数は1万285社。

企業の4割で正社員不足

「現在の従業員の過不足状況」を尋ねたところ「正社員」について「不足」していると回答した企業は37.9%、「適正」は49.2%、「過剰」は12.9%で、企業の約4割が正社員の不足を感じていた。

正社員が不足している企業の割合は前回調査(2016年1月時点)から1.6ポイント減少した一方、現在の正社員数が「適正」「過剰」と判断している企業は微増しており、人手不足感はやや緩和していると言える。

「非正社員」では「不足」が24.9%、「適正」が65.3%、「過剰」が9.8%だった。

「現在の従業員の過不足状況」

「正社員が不足している」と回答した企業を業種別にみると、「放送」が76.9%(前回調査比10.2ポイント増)で最も高く、前回調査、前々回調査(2015年7月時点)に続いてトップとなった。以下、「家電・情報機器小売り」(65.0%、同13.6ポイント増)、「情報サービス」(60.0%、同6.5ポイント減)が6割台だった。

「非正社員が不足している」という業種は「飲食店」が79.5%で最多。以下「飲食料品小売り」(63.8%)、「娯楽サービス」(63.0%)と続いた。

従業員が「不足」している上位10業種

企業からは、「IT業界は人手不足状態が継続している」(ソフト受託開発/東京都)や「人手不足が解消できない」(冷凍調理食品製造/神奈川県)、「競合他社、協力会社含めて案件が多く、人手不足気味」(ソフト受託開発/大阪府)といった、仕事を抱えつつも人手が足りないことを指摘する意見がみられた。

また、「人手不足により職人の単価は高止まりが続いており、会社として利益の確保が難しい状態」(建設/神奈川県)や「人材難による機会損失も含めて、売り上げが上昇する要素が少ない」(飲食店/北海道)など、人手不足が売り上げや利益に悪影響を及ぼしているという声もあがった。