大成建設は8月25日、軽量かつコンパクトな作業ロボットによる柱鉄骨の現場溶接自動化工法「T-iROBO Welding」を開発したと発表した。

これまでの小型溶接ロボットは、前作業として溶接工による先行溶接や鉄骨に付属する障害物の撤去作業を行う必要があるため、溶接工だけですべての溶接作業を行う場合と比べて作業効率が低下するといった課題があり、単純形状の柱鉄骨以外への適用が難しかった。

これに対し「T-iROBO Welding」で用いるロボットは、障害物を回避するための動作を予め記憶し、首振り機構を用いて仮固定治具などの障害物を回避しながら自動で溶接を行うことが可能。また、角型鋼管柱のコーナー部のように平面から曲面に変化する複雑な形状の部位でも、ロボットが形状変化を判断し連続して溶接することができる。同工法により現場溶接作業の省人化および効率化が期待される。

障害物の回避、直線部から曲線部への連続幼節が可能に

角型鋼管柱(幅650mm、版厚28mm)の溶接作業を想定した施工試験では、従来の小型溶接ロボットに比べて、柱周りの継手部溶接1箇所あたり1~1.5時間の時間短縮(従来の約30%)が可能で、また溶接部の破壊試験などの結果から新工法で施工した溶接部の品質が所定の規準を満たしていることが確認された。

小型溶接ロボットによる溶接作業手順と所要時間の比較

同社は「今後、当社では、2017年度から本ロボットによる自動化工法の本格的な現場導入を目指し、操作性等も考慮したロボット性能の更なる向上を図りながら、普及展開を進めてまいります。」とコメントしている。