厚生労働省は8月24日、「平成27年度 乳幼児栄養調査結果の概要」の結果を公表した。同調査は平成27年9月1日に、平成27年5月31日時点で6歳未満の子どものいる世帯2,992世帯およびその子ども3,871人を対象に行ったもの。

子どもの主要食物の摂取頻度(回答者:2~6歳児の保護者)

子どもの主要食物の摂取頻度について尋ねたところ、穀類、お茶など甘くない飲料、野菜、牛乳・乳製品は「毎日2回以上」と回答した者の割合が最も高く、それぞれ97.0%、84.4%、52.0%、35.8%だった。

菓子(菓子パンを含む)、果物は「毎日1回」と回答した者の割合が最も高く、それぞれ47.0%、27.3%。肉、卵は「週に4~6日」という回答が最も高く、それぞれ43.8%、33.7%であった。魚、大豆・大豆製品は「週に1~3日」と回答した者の割合が高く、それぞれ52.5%、34.1%となっている。「週に1回未満」と回答したものが多いのは、ファストフード(81.0%)、インスタントラーメンやカップ麺(70.3%)だった。

子ども・保護者の朝食習慣について聞くと、毎日、朝食を「必ず食べる」と回答した子どもの割合は93.3%、保護者の割合は81.2%だった。保護者が朝食を「必ず食べる」と回答した場合は、朝食を必ず食べる子どもの割合が最も高く95.4%だった。一方、保護者が朝食を「ほとんど食べない」「全く食べない」と回答した場合は、朝食を必ず食べる子どもの割合がそれぞれ78.9%、79.5%と低くなっている。

子ども・保護者の朝食習慣

保育所等の活動も含めた運動(外遊びも含む)の頻度について尋ねると、「1週間に5日より多くしている」と70.0%が回答した。「1週間に5日より多くしている」と回答した者の割合が最も低いのは、2歳~3歳未満で52.5%だった。

保育所等の活動も含めた運動(外遊びも含む)の頻度

鬼ごっこやかくれんぼ、ボール遊び、すべり台、砂遊びなど全身を使った遊び・運動や、通園時の歩行や散歩など、1日に平均で体を動かしている時間は、平日、休日とも「1時間以上2時間未満」(平日36.6%、休日34.0%)が最も多かった。1日1時間以上体を動かしている子どもの割合は平日78.4%、休日64.2%であった。

1日に平均でテレビやビデオを見る時間、ゲーム機やタブレット等を使用する時間について尋ねたところ、平日、休日とも「1~2時間」(平日54.9%、休日45.7%)という回答が多い。平日で約2割、休日で約4割の子どもが、1日平均で3時間以上テレビやビデオを見たり、ゲーム機やタブレット等を使用したりしていることがわかった。

1日に平均でテレビやビデオを見る時間、ゲーム機やタブレット等を使用する時間

子どもの肥満度を幼児身長体重曲線を用いた評価で見ると、ふつう(肥満度±15%)の子どもの割合が92.4%、ふつうより肥満度が高い(肥満度+15%以上)子どもの割合が4.9%、ふつうより肥満度が低い(肥満度-15%以下)子どもの割合は2.7%だった。

子どもの肥満度

肥満度がふつうの子どもについて、保護者の子どもの体格の認識も「ふつう」と一致している割合は69.8%で、約3割の保護者は子どもの体格の認識に相違があることがわかった。

また、ふつうより肥満度が高い子ども、ふつうより肥満度が低い子どもでは、保護者の認識が一致している割合はそれぞれ63.4%、60.3%であり、約4割の保護者は子どもの体格の認識に相違が見られた。

肥満度別 保護者の子どもの体格に関する認識(回答者:2~6歳児の保護者)

主要な食物の摂取頻度を社会経済的要因別にみたところ、経済的な暮らし向きにおいて、有意差がみられた項目が多かった。

魚、大豆・大豆製品、野菜、果物の摂取頻度が高い傾向があるのは、経済的な暮らし向きが「ゆとりあり」と回答した層だった。一方、菓子(菓子パン含む)、インスタントラーメンやカップ麺は、経済的な暮らし向きが「ゆとりなし」の層に摂取頻度が高い傾向があった。

社会経済的要因別 主要食物の摂取頻度「野菜の摂取状況」

例えば、魚は「ゆとりあり」では「週に4~6日」の摂取率が28.9%だったのに対し、「ゆとりなし」での摂取率は18.8%だった。野菜は「ゆとりあり」では「毎日2回以上」の摂取率が60.5%だったのに対し、「ゆとりなし」での摂取率は46.4%で、どちらも有意差ありとなっている。

一方で、インスタントラーメンやカップ麺は「まだ食べていない(飲んでいない)」の割合が「ゆとりあり」で24.7%なのに対し、「ゆとりなし」では15.6%と約9ポイントの開きがある。

※画像はすべて厚生労働省より出典