岐阜県のご当地キャラ「ひだっち」は実は日本最古の人形がモデル

岐阜県の観光名所、飛騨高山には人気のご当地キャラがいます。その名も「ひだっち」。
黒い頭巾と前掛けを身につけた、全身真っ赤なおサルさんをモチーフにしたキャラクターですが、実はその姿も肌の色も、飛騨に伝わる古いぬいぐるみ「さるぼぼ」がモデルなのです。
今では飛騨のお土産としても好評の「さるぼぼ」とは、一体どんなぬいぐるみなのでしょうか。

■飛騨高山のご当地キャラ、「ひだっち」

ひだっちは、岐阜県の観光名所である飛騨高山のご当地キャラ。真っ赤なお猿さんで、ちょっと生意気そうな表情と無邪気な姿に愛嬌があり、とても人気があります。
飛騨高山のイベントやお店など地域情報を紹介しているブログやSNS、フリーペーパーを中心に活躍していて、可愛いぬいぐるみもお土産として好評です。
飛騨高山のお土産品を見ていると、そんなひだっちにとても似ているデザインのぬいぐるみが販売されていることに気がつきます。
実はそれこそ、ひだっちのモデル。似ているのは当然で、こちらがオリジナルなのです。
そのぬいぐるみは、さるぼぼと呼ばれています。

■「さるぼぼ」は古い歴史があるぬいぐるみ

さるぼぼは、真っ赤な布を使って作られた人型のぬいぐるみで、前掛けと頭巾を身につけています。目鼻がないのっぺらぼうで、とてもシンプルなデザインです。
名前の由来は、「猿のぼぼさ」。ぼぼさとは、飛騨の方言で赤ちゃんのことです。つまり、猿の赤ちゃんがモチーフなのです。
さるぼぼは今ではお土産品として扱われていますが、もともとは飛騨の庶民に古くから伝わってきたぬいぐるみでした。
赤ちゃんを模していることから、子宝や健康、縁結びのお守りとして。
また厄や病が「去る」という語呂合わせから、厄除けのお守りとして。
そして、裁縫を練習するための教材として。
親が子の健康と長寿を願い、オモチャとして与え、また母子で一緒に作りながら技術を教えるために使われたぬいぐるみが、さるぼぼなのです。

■さるぼぼの由来が人気につながった

そんなさるぼぼも、現代では廃れつつありました。しかし、1978年ごろにお土産品として制作され始めたことで息を吹き返します。
当初は顔がなく色も赤黒でインパクトが強かったので、あまり人気がなかったそうですが、由来を綴った説明書を一緒に販売したところ、女性客の共感を呼んで瞬く間に人気の土産物となりました。
子を思う親心は、今も昔も同じなのでしょう。さるぼぼに込められた願いが現在の人の心に響き、古いぬいぐるみは蘇りました。
それどころか顔を与えられてご当地キャラ「ひだっち」になり、再び注目を集めるようになったのです。

このように古いモノや伝承の中には、今と変わらない人の気持ちが込められています。
もし興味があるのでしたら、大学で歴史学や民俗学を学んでみてはいかがでしょうか。古いモノや書といった歴史資料から昔の人の暮らしと社会の移り変わりを研究する歴史学。伝承や風習、祭りや民謡など今に残る伝統の中から、人の営みの根底にひそむ文化を解き明かす民俗学は、歴史と人の心の関わりを学ぶ学問です。
伝統の中に秘められた心や願いを見つけて、さるぼぼのように復活させたら、それは多くの人の心を動かすかもしれません。


【参考サイト】
・ひだっちブログ
http://takayamap.hida-ch.com
・飛騨高山さるぼぼ屋さん
http://www.hidanosarubobo.com/index.html
・飛騨の歴史再発見「飛騨のさるぼぼについて2」
http://hidasaihakken.hida-ch.com/e380880.html


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