米Googleは8月22日(現地時間)、「Android 7.0 Nougat」の正式版の提供を開始した。Nexus 6、Nexus 5X、Nexus 6P、Nexus 9、Nexus Player、Pixel C、General Mobile 4G (Android One) などのNexusデバイスにアップデートをロールアウトし始め、またAndroid Open Source Project (AOSP)にAndroid 7.0のソースコードをプッシュした。

Android Nougatは250以上の新機能を含むメジャーアップデートである。

  • マルチウィンドウ:画面を2つに分割、1画面内で2つのアプリを利用できるマルチタスキング機能。
  • 通知の視認性・操作性の向上:通知が大きく表示されて読みやすいデザインになり、また通知パネルから直接Hangoutやメールなどの返信を行える。
  • データセーバー:バックグラウンドやストリーミングのビットレートなどを制限し、モバイルデータの通信量を抑える。
  • ピクチャー・イン・ピクチャー:最小化した動画コンテンツを画面に表示しておける。
  • Dozeの強化:スマートフォンを使用していない時の消費電力を抑える省電力機能Dozeがさらに効果的に。
  • 着信拒否:標準の通話アプリやSMSアプリで通話ブロックを設定可能。
  • VR Mode in Android:Googleが春に発表した新しいVRプラットフォーム「Daydream」をサポートするVRモード。

マルチウィンドウ

新しいJIT/AOTコンパイラによって、アプリのインストールや動作が向上、アプリが使用するストレージ量が減少している。画面ロックを解除することなく、アラームやSMSの重要なユーザー通知などを利用できる(ダイレクトブート・モード)。これは認証情報暗号化ストレージと端末暗号化ストレージの2つの保存先を使い分けることで実現している。また、低オーバーヘッドなグラフィックスAPIであるVulkanをサポートしており、メディア機能に優れたデバイスの登場が期待できる。

同社はまた、Android Nougatからメンテナンスリリースという新プログラムでアップデートを提供することを発表した。これまでの正式版リリース後のアップデートはセキュリティ問題やバグの修正を目的としたものだったが、メンテナンスリリースは継続的にAndroidに磨きをかけるものになるという。改善のための機能追加が行われる可能性もある。すでにAndroid Nougatの最初のメンテナンスリリースの開発が始まっており、今秋に開発プレビューとして正式リリース前に開発者に提供する計画だという。

現段階では不明な点も多いが、メンテナンスリリースによってAndroidのアップデートの見通しが明瞭になり、Androidを採用するベンダーが継続的にAndroid開発に関わることで、Android端末へのアップグレード提供の促進につながる可能性がある。