財務省は8月18日、2016年7月の貿易統計(速報、通関ベース)を発表した。それによると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は5,135億円の黒字となった。黒字は2カ月連続。円高により輸出額が大幅に落ち込んだものの、原油安などにより輸入額も減少したため、黒字となった。

2016年7月貿易統計(速報)(出典:財務省Webサイト)

輸出額の下げ幅、リーマン・ショック後以来の大きさ

輸出額は前年同月比14.0%減の5兆7,284億円と10カ月連続で減少し、下げ幅はリーマン・ショック後の2009年10月(23.2%減)以来、6年9カ月ぶりの大きさを記録した。同省は「円高の影響がみられた」と説明している。品目別では、自動車が同11.5%減、船舶が同52.9%減、鉄鋼が同21.7%減などとなった。

輸入額は同24.7%減の5兆2,149億円と19カ月連続で減少し、下げ幅は2009年10月(35.5%減)以来の大きさに。品目別では、原粗油が同42.6%減、液化天然ガスが同43.2%減、石油製品が同45.2%減などとなった。

地域別にみると、対米国は、輸出額が同11.8%減の1兆1,825億円、輸入額が同15.2%減の5,885億円で、5,940億円の黒字。黒字額は2カ月ぶりに減少した。

対EUは、輸出額が同6.5%減の6,655億円、輸入額が同15.7%減の6,667億円で、11億円の赤字。赤字転化は2カ月ぶりで、同省は英国のEU離脱に伴う影響について、「注視していく必要がある」と話している。

対アジアは、輸出額が同13.9%減の3兆438億円、輸入額が同23.0%減の2兆5,568億円で、4,870億円の黒字。黒字は6カ月連続となる。

対中国は、輸出額が同12.7%減の1兆299億円、輸入額が同21.7%減の1兆2,959億円で、2,660億円の赤字。赤字は53カ月連続となる。