Threatpost - The First Stop For Security News

8月12日(米国時間)、Threatpostに掲載された記事「EU Struggles to Determine Growing Cost of Cyberattacks |Threatpost|The first stop for security news」が、欧州に対するサイバー攻撃がもたらす被害総額は、そう遠くないうちに許容不可能な金額に到達するだろうという機関の発表を伝えた。この発表は、複数の研究機関における研究報告の結果などから取りまとめた報告書によるもので、サイバー攻撃がもたらす影響力の大きさを示している。

EU(欧州連合)のネットワーク情報セキュリティ機関(ENISA; European Union Agency For Network And Information Security)は、大学などの研究機関が報告した内容などをもとにデータをまとめ、欧州に対するサイバー攻撃によってもたらされる被害額の大きさおよび重要度に対して認識を持つべきと警告。同機関の試算によれば、EUへのサイバー攻撃でもたらされる被害総額はEU全体の国内総生産の1.6%、または年間で413億米ドル(4兆1400億円ほど)ほどに上ると指摘している。

報告書は、CEOやCFOといったポリシーを策定する決定権を持った役職が意思決定に必要な基盤のためのデータとして利用できるという。サイバー攻撃への対応そのものは利益を生まないため後手に周りがちだが、インシデントが発生すると事業継続が困難になるほどの影響を受ける可能性もあり注意が必要。サイバー攻撃対策にどの程度の予算や時間をかけるのか、事業においてどのような位置づけとしていくのかは今後ますます判断が難しくなってくるものと思われる。