エス・エム・エスはこのほど、医療機関を対象とした「ストレスチェック」の結果について発表した。同調査は6月15日~23日、同社グループが「医療機関特化型ストレスチェック代行サービス」を提供した医療機関36事業所のデータを分析したもの。

医療機関における高ストレス者の割合

高ストレス者の割合はどのくらいか尋ねたところ、91.9%の医療機関が「高ストレス者は10%を超える」と回答した。「高ストレス者が15%を超える」という医療機関も29.7%であることもわかった。

同社ではこの結果について、医療機関は入院患者の生死を扱う職場であることや、夜勤当直などの不規則なシフト勤務が多いこと、慢性的に人手不足であることなど、医療機関特有の環境が原因ではないかと分析している。

また、高ストレス者の割合が10%という目安は「ストレスチェック項目等に関する検討委員会」において、現場が対応できる上限という意見なども踏まえて設定されている。そのため、産業医などの現場スタッフへの負担が懸念されるという。

そこで6月10日~23日にかけて、病床数20以上の医療機関に勤務する事務長78名を対象に、産業医選定状況についてインターネットで調査した。

医療機関における産業医選定状況

すると、25.6%が「産業医は院長・理事長などの経営者」と回答。経営者に加え、一定の人事権を有していると想定される「役職者」が産業医を兼務しているケースも加えると約55%の医療機関が該当することがわかった。

人事権を持つ職員が産業医を兼務する場合、職員が自身の健康や精神的な悩みについて相談しづらくなるなどのリスクが想定される。そのため、「院外の医師」に産業医を依頼することが有効であると考えられるが、外部委託している割合は、10.3%にとどまっている。