JR西日本は2017年春の運行開始を予定している「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の車内を彩るアートや工芸品について、日本を代表する工芸作家や沿線の伝統工芸職人の作品を採用すると発表した。

「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の車内を彩るアート・伝統工芸品の一部。京都のかざり金具と広島の桐箱

「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」のインテリアについては、浦一也氏によるデザイン監修を受けつつ、どことなく懐かしさの感じられる「ノスタルジック・モダン」をデザインコンセプトとして検討が進められてきた。

今回はそれにもとづき、沿線1府6県のアートや伝統工芸品、計10種の採用が決定。銅板に切り文様を彫る京都の伝統技法「かざり金具」を客室のスイッチプレートに、桐箱製造140年の伝統を持つ浦上桐工芸(広島県)による桐箱を客室の小物入れにそれぞれ採用するなど、車内の随所に名品や逸品をさりげなく取り入れた。

各客室の木製ハンガーも、日本が誇るべき優れた地方産品として経済産業省が選定した「The Wonder 500」に選ばれた中田工芸(兵庫県)の製品を使用。客室の茶器やグラス、花入れも沿線各地の名品を採用する。

各号車の車内通路には、鳥取県境港市を拠点に山陰の空や地平線、砂丘などを背景とした前衛的な写真を撮り続けた写真家・植田正治氏の作品を展示。「スイート」客室には、岡山県を拠点に光と色彩に満ちた叙情的な風景写真を撮り続けた写真家・緑川洋一氏の作品を展示する。その他、京都で数百年にわたり三千家の茶道具を制作している「千家十職」の作品の車内展示も予定しているという。