日立製作所は8月8日、岡山市から、指静脈認証とパスワードを組み合わせた二要素認証システムを受注したと発表した。

同システムは、岡山市の約40拠点の職員が、住民基本台帳や税・社会保障関連業務などのマイナンバーを取り扱う業務に利用する約1600台のPCへのログイン時に、指静脈認証とパスワードの2種類の認証手段を組み合わせた二要素認証を行うもの。これにより、岡山市は、情報セキュリティの高度化を実現し、徹底的に個人情報流出の抑制を図るとしている。なお、同システムは2017年1月に稼働開始を予定している。

2015年11月に総務省より公表された「自治体情報システム強靭性向上モデル」では、マイナンバーを取り扱う業務において利用するPCなどの端末を外部ネットワークから遮断するほか、端末へのログインには2種類の認証手段を組み合わせた二要素認証を行うことが求められている。

同システムで採用されている指静脈認証技術は、日立が開発した生体認証技術で、近赤外線を指に透過させて得られる指の静脈パターンの画像から静脈の存在する部分を構造パターンとして検出し、あらかじめ登録した静脈の構造パターンと照合させて個人認証を行う。指静脈は体内にある情報であるため、偽造や成りすましが極めて困難であり、高いセキュリティ性を実現するとしている。