FCAジャパンは5日、幕張メッセで開催中の「オートモビル カウンシル 2016」にて、新型「アバルト 124 スパイダー」を国内初公開した。アバルトブランド初のオープンスポーツモデルとなる同車は、マツダ「ロードスター」のアーキテクチャーをベースに、スタイリングデザインやパワートレインなどFCAが独自に開発したモデルとなる。

「オートモビル カウンシル 2016」のアバルトブースに展示された新型「124 スパイダー」

新型「アバルト 124 スパイダー」は、1960年代にデビューし、多くの人々を魅了したオリジナルの「124 スパイダー」のオマージュとして現代に蘇らせた新モデル。2人乗りオープンカーの本格的な走りに加え、スリルとテクノロジー、安全性、イタリアンデザインを融合。アバルトのDNAを引き継ぎ、幅広いファンの獲得を狙う。生産はマツダ本社工場で行われ、インポートブランドでは初の国産スポーツモデルになるという。

エクステリアは前後に長いボンネットでエンジンの重要性とパワーを強調。フロントエンドのオリジナルラインと六角形のフロントグリルが個性を主張し、ボンネットの膨らみはエンジンが縦置きであることを示唆している。車内のシートは、ドライバーがクルマのさまざまな動きを感じ取れるよう可能な限り後方に低くセッティングされ、ダッシュボードには赤い文字盤の大型タコメーターをドライバー正面の中央位置に配置した。

同車はアバルト・レーシングチームの支援を得て開発され、パフォーマンス、クラフトマンシップ、技術的優位といったアバルトならではの価値を最高の形で具現化したモデルとのこと。ボンネットの下に1.4リッターマルチエア4気筒ターボエンジンを搭載し、最高出力170PS、最大トルク250Nm、0-100km/h加速6.8秒(欧州仕様参考値)を発揮。ABS(アンチロックブレーキシステム)、EBD(電子制御動力配分システム)、ESC(横滑り防止装置)を標準装備としつつ、サーキット走行ではこれらの機能を限定させることが可能で、クルマのバランスと運動特性をフル活用したダイレクトなドライブフィールを楽しめる。

新型「124 スパイダー」とフィアット・アバルト「124 スパイダー ラリー」

フィアット・アバルト「595 ベルリーナ」とアバルト「595 コンペティツィオーネ」

トランスミッションは6速マニュアル・6速オートマチックの2タイプを用意し、価格は6速MT車388万8,000円、6速AT車399万6,000円(ともに税込)。10月8日から全国のアバルト正規ディーラーにおいて販売開始される。

「オートモビル カウンシル 2016」のアバルトブースでは、新旧「124 スパイダー」が並んだ。新型「124 スパイダー」は「ACROPOLIS 1972 パールホワイト」「BIANCO TURINI 1975 ホワイト」のボディカラーをまとった2台(ともにトランスミッションは6速マニュアル)が展示され、その隣に往年の名車、フィアット・アバルト「124 スパイダー ラリー」も。その他、フィアット・アバルト「595 ベルリーナ」とアバルト「595 コンペティツィオーネ」も展示されている。