カゴメは8月2日、トマトジュースを朝に飲むと、昼や夜に飲んだよりも機能性成分である「リコピン」が吸収されることをヒト試験で確認したと発表した。

今回の実験は、2015年に同社が、朝にトマト含有飼料を摂取すると、ほかの時間よりも効率的にリコピンを吸収できるということを動物実験にて確認したことを受けて実施されたもので、健康な成人男女23名を対象に、朝(8時)・昼(12時)・夜(18時)の各時間帯においてトマトジュース160g(リコピン16mg)を飲んでもらい、摂取後2、4、6、12時間後の血中リコピン濃度を測定するというもの。夜→昼→朝の順番で調査を行い、夜と昼、昼と朝の間にそれぞれ1週間の間を設けて実施されたという。

解析を男女20名で実施した結果、飲用後の血中リコピン濃度の変化量は、摂取後のいずれの時間帯でも朝に飲んだときの値がもっとも高く、4時間後、6時間後では昼に飲んだときと比較して統計学的に有意な差を確認したという。また、、リコピン吸収量の指標となる応答血中濃度曲線下面積(IAUC)の変化量についても、朝に飲んだときの値がもっとも大きく、昼に飲んだときと比較して統計学的有意さが認められたという。

この結果を受けて同社は、トマトジュースを朝に飲むと体内に吸収されるリコピンの量が多いと考えられるとするほか、この要因として、食事を摂取するまでの絶食時間の長さが関連していると考えられるとしている。

なお、同成果の詳細は8月25日~27日に開催される「第63回 日本食品工学会」にて発表される予定だという。

各摂取時間帯でトマトジュース摂取後の血中のリコピン濃度変化量。n=20、平均値±標準偏差、Dunnett検定(vs朝摂取)、*p<0.05、**p<0.01

各摂取時間帯の血中のリコピンAUC の変化量。n=20、Dunnett test、*p<0.05