日立製作所は8月2日、クラウド環境におけるデータ運用管理の効率化に向け、ディスクアレイシステム「Hitachi Virtual Storage Platform(VSP)」ファミリーを強化すると発表した。具体的にはクラウドと連携し、ファイルデータの効率的な管理を実現する「NASモジュール」をミッドレンジモデル3機種「VSP G400」「VSP G600」「VSP G800」に搭載可能なオプションとして製品化するとともに、ITインフラの運用自動化や性能監視・分析を行うソフトウェア2製品を開発し、同日より販売開始した。

「Hitachi Virtual Storage Platform G400/G600/G800」(いずれの製品も筐体は同一)

今回、開発したNASモジュールはVSPファミリーにファイルデータの管理機能を付加し、ユニファイドストレージとしてブロックデータやファイルデータなど多様な形式のデータを一元的・効率的に取り扱うことを可能とするもの。

従来、多様な形式のデータを取り扱うには、ブロックデータ管理用ストレージとしてVSP ファミリーを、ファイルデータ管理用ストレージとして「Hitachi NAS Platform(HNAS)」をそれぞれ導入し、組み合わせる必要があったが、NASモジュールを活用することで、種類の異なる多様なデータを1台の装置で統合的に管理することが可能になる。

また、利用頻度や機密性が低いファイルデータをクラウドに自動で保管し、Hitachi Cloud、Amazon Web Services、Microsoft Azureと連携できる「自動マイグレーション機能」を備え、データ保管にかかるコストを最適化できるとしている。

一方、ソフトウェア製品については、ITインフラの運用自動化や性能監視・分析を行う「Hitachi Automation Director(HAD)」と「Hitachi Infrastructure Analytics Advisor(HIAA)」を販売開始した。

HADはクラウド環境などにおける仮想環境構築や、ボリューム割り当てによる容量増設など、構成変更にかかる運用作業を自動化する。一方、HIAAはITインフラの構成情報や性能状況を自動的に収集・可視化するほか、システム変更履歴や負荷傾向も管理し、通常の傾向と異なる負荷検出時や性能問題の発生時には、変更履歴と負荷傾向の相関分析により、迅速な性能ボトルネックの特定を支援する。

下表は各製品の価格と出荷時期。HADとHIAAの価格は1年間のプログラム使用権と1年間のサポートサービスをセットにしたサブスクリプション・ライセンスとなっている。

各製品の価格と出荷時期