富士通とピープルソフトウェアは8月1日、京都の文化や工芸品を展示した京都伝統産業ふれあい館で、ピープルソフトウェアの音声ガイドシステム「MUSENAVI(ミューズナビ)」をベースに開発したスマートフォンアプリ「京都伝統産業ふれあい館音声ガイダンス」の実証実験を同日から12月28日の期間で行うと発表した。

画面イメージ

今回の実証実験はスマートシティ京都研究会での検討を踏まえ、実施している京都市岡崎地域の「エネルギーとエコのショーケース化」の一環として取り組む。 特徴は、スマートフォンで手軽に活用が可能なことや、利用者の位置を把握し、適所でガイダンスを再生すること、音声合成により迅速な情報更新を実現していることなどが挙げられる。

スマートフォンでの活用では、利用者がスマートフォンにアプリケーションを事前にダウンロードすることで、専用機器を使わずに手軽に日本語と英語のガイダンスを活用でき、音声ガイド機能は京都伝統産業ふれあい館の展示場受付に設置したビーコンがアプリケーションを検知することで再生可能となる。なお、実証実験ではスマートフォンを所有していない来館者向けに、アプリケーションを搭載した富士通製のスマートフォンを貸出用として準備している。

また、適所でガイダンスを再生については館内の展示物の近くに設置したビーコンにより、利用者の位置を把握し、画面上に表示された展示物一覧から近くの該当展示物をハイライト表示して知らせ、タッチすることで展示内容のガイダンスを聞くことができる。

ダウンロードしたアプリケーションを利用するため、通信環境に依存せずクリアで安定した音質を実現しているほか、受話器スピーカーで聞けるため、イヤホンなしでも活用が可能。音声ガイダンス内容は画面上にテロップ表示され、耳の不自由な方でも手軽に利用可能だという。

音声合成による迅速な情報更新の実現に関しては、入力した文字を読み上げる音声合成でナレーターを使うことなく、京都伝統産業ふれあい館にて簡単に音声ガイダンスを作成できる。そのため、展示物や館内情報などに変更があった際に音声ガイドの追加・変更を可能としている。

さらに、展示物に変更があった場合、利用者にプッシュ通知機能で知らせ、アプリケーションを更新することなく音声データのみダウンロードすれば、最新の音声ガイドを利用することができる。利用者は、日本語・英語を言語選択できるため、訪日外国人などインバウンド需要にも応えるという。

今後、両社は国内外の観光客の満足度や日本の文化・伝統産業への興味を向上させることを目指し、実証実験を通じてスマートフォンを活用した音声ガイダンスの実用性を検証していく。