「ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』」ゲネプロの様子。(左から)ロック・リー、うずまきナルト、我愛羅。 (c)岸本斉史 スコット/集英社 (c)ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」製作委員会2016

岸本斉史原作による舞台「ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』」が、本日7月30日に大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて幕を開けた。

「ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』」は、2015年3月から6月にかけて上演された舞台の、約1年ぶりとなる再演。新キャラクターとしてロック・リーが登場することが、初演と大きく異なる点だ。演じるのはミュージカル「テニスの王子様」3rdシーズンにて聖ルドルフ・木更津淳役を演じ、秋からの「舞台『弱虫ペダル』~箱根学園新世代、始動~」にて新たに東堂尽八役に抜擢された佐藤祐吾。2幕冒頭でのナルトが寝坊するシーンには新たにロック・リーも加わり、舞台の左右で対照的な演技が繰り広げられた。もちろんリー特有の“自分ルール”を課した特訓のシーンも。さらに戦いのシーンでは、体術を駆使した殺陣を披露する。

「ライブ・スペクタクル」と冠されたこの舞台の最大の特徴は、数々の特殊演出。ダンスやアクロバット、殺陣、マイムに加えて、新たにビジュアルポイが採用された。ポイとはジャグリングの一種で、紐の片端に重りがついた道具を回して演技をするというもの。ポイにはLEDが仕込まれており、平行に回転させることで映像を見せることができる。この演出は、サスケの風魔手裏剣、白の魔鏡氷昌などに使用されている。

またナルトが使う影分身の術を表現したLEDダンスも健在。影分身たちが客席通路に降りてくるため、鑑賞する席によってはあたかも影分身たちが自分を取り囲んでいるかのような気分になれる。そのほかプロジェクションマッピングやエアリアル、トランポリンを使った演出なども、初演から引き続き採用。さらに振付を手がけたやまだしげきは、大蛇丸の化身としても出演する。

ゲネプロ前には、うずまきナルト役の松岡広大、うちはサスケ役の佐藤流司、ロック・リー役の佐藤祐吾がコミックナタリーの取材に応じた。松岡は初演と再演の違いを「目に見えるポイントもあるんですけど、役者1人ひとりの気持ちは確実に違います。より深みのある芝居にしていけたら」と語る。また佐藤流司は「自分のサスケとしていろんなことにチャレンジしましたし、新たなパフォーマンスもありますけど、なんといっても今回は新キャラがいますから。そこは初演を見たお客さんでも目に見えて違うところですね」と話し、「うまく振っといたから」と佐藤祐吾を見やる。

それを受け佐藤祐吾は「リーは最初から好きで。周りとはやっぱり違うところにいて、違う努力の仕方とかもしてるので」と、自身が演じるキャラクターへの愛情を語り、「周りのみんなは忍術でアピールしますけど、僕は殺陣をつけてもらったので、そこに注目してほしいです」とアクションについて言及する。殺陣を付けたのは、ファイティングコーディネーターとしてもクレジットされている、イルカ先生役の市瀬秀和。アクションはほぼ初体験だという佐藤祐吾は「市瀬さんがつけるアクションはその人の特技や、できる最大限のパフォーマンスを組み込んでくれていて、なおかつ何十公演もあるから安全も考えてくれて。役者1人ひとりに合ったパフォーマンスを殺陣にしてくれているので、そこも見てほしいです」と話した。またブレイクダンスをしていたという佐藤祐吾は「『こんな技が出来ます』とやってみせたら殺陣に組み込んでくれた。やっといてよかったです」とうれしそうに語った。

再演からの参加となる佐藤祐吾に対し、佐藤流司は「リーは冒頭でウケを狙えるシーンがあるから、欲しがらないように」とアドバイス。これには松岡も「的確だね(笑)」と笑い、佐藤祐吾も「欲張らず(笑)」と頷いた。また松岡は「体をハードに使う演目なので、ヤバくなったら言ってください」と優しい言葉をかける。

見どころのシーンについて佐藤流司は「ラストの立ち回り」とナルトとサスケが終末の谷で戦うシーンを挙げる。「そこの立ち回りに関しては、市瀬さんが、ぶっ壊して、イチから俺らのやりたいよう、俺らの動きやすいように作ってくれた。初演とは全く違いますね」と明かす。さらに松岡は「キャラクターが一気に集まって、サスケを連れ戻す大バトルがあるんですけど、そこの立ち回りはトランポリンも使いますし、バク宙とかいろんなアクロバットもあるので、見応えと疾走感と緊張感があると思います」、佐藤祐吾は「『ライブ・スペクタクル』という名前の通り、パントマイムとかもあったりアクションもあったり、演出が面白いので、そこを見てほしいです。ほかの舞台じゃ見られない演出もたくさんあって楽しいと思います」と述べた。

「ライブ・スペクタクル『NARUTO-ナルト-』」は、8月7日まで大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて、8月13日から28日まで東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて上演されたのち、10月から12月には、上海、杭州、北京、長沙、広州、深センの中国6都市でキャストを替えたワールドツアー公演を行う。

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」

大阪公演

期間:2016年7月30日(土)~8月7日(日)
会場:梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

東京公演

期間:2016年8月13日(土)~28日(日)
会場:AiiA 2.5 Theater Tokyo

原作:「NARUTO-ナルト-」岸本斉史(集英社 ジャンプコミックス刊)
脚本・演出:児玉明子

キャスト

うずまきナルト:松岡広大
うちはサスケ:佐藤流司
春野サクラ:伊藤優衣

我愛羅:須賀健太

はたけカカシ:君沢ユウキ
三代目火影:平川和宏
うみのイルカ:市瀬秀和
薬師カブト:木村達成

桃地再不斬:内田朝陽
白:今村美歩

山中いの:藤木かおる
奈良シカマル:小林辰也
秋道チョウジ:加藤諒
犬塚キバ:飯山裕太
油女シノ:植田慎一郎
日向ヒナタ:高橋紗妃
ロック・リー:佐藤祐吾

大蛇丸の化身:やまだしげき

自来也:梅垣義明
大蛇丸:悠未ひろ
ほか

(c)岸本斉史 スコット/集英社 (c)ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」製作委員会2016