システムサポートは7月28日、関西大学と津田塾大学のライティング/キャリア支援のためのシステム「TEC-system」を開発したと発表した。同システムの開発は2012年度から行われ、2015年4月より順次稼働している。

両大学は文部科学省大学間連携共同教育推進事業として「〈考え、表現し、発信する力〉を培うライティング/キャリア支援」に取り組み、汎用性のあるライティング/キャリア支援体制の構築を共同して推進している。

この取り組みの柱の1つが、ライティング/キャリア支援を効果的に行うため、学生が成果物(レポート)を蓄積して振り返りができるシステム(e ポートフォリオシステム)の開発だという。

「TEC-system」は、日本語以外を母語とする教員や留学生も利用できるよう、多言語対応がされており(現時点では、日本語のほか英語に対応)、「TEC-book」と「TEC-folio」から構成されている。

「TEC-book」は、ライティングセンターの組織的かつ効率的な運営の支援を目的としており、「学生によるライティングセンターの予約と履歴閲覧」「指導スタッフがシフトを事前登録、相談対応シフトを運営管理者が調整」「指導スタッフによる指導履歴の蓄積と共有」「駆け込みによる相談(予約がない学生の急な来室)対応」「利用統計の閲覧、CSV 出力」といった機能を提供する。

「TEC-book」の画面イメージ

「TEC-folio」は個人学習、授業科目、課外活動など学生生活全般で学びのシーンをサポートすることを目的としており、「学生の成果物(レポートなど)の蓄積と振り返り」「授業や課外活動での学生への資料配布、文献情報提示、学生からの課題収集」「授業単位で教員と学生が利用できる簡易掲示板の利用」「ルーブリック(学習到達状況を評価するための評価基準表)による自己評価と他者評価」といった機能を提供する。

「TEC-book」の導入により、ライティングセンターが複数部分にまたがる場合でも管理が可能になったり、ダブルブッキングがなくなったりと、運営がスムーズになったという。

また、スタッフの指導履歴が電子化され共有されることで、異なる指導スタッフで指導内容を引き継ぎ対応することが容易になるなど、利便性が大幅に向上した。

今後は、操作性の向上を目指し、スマートフォンやタブレット端末への対応を図る計画。