NXPセミコンダクタ(NXP)は7月28日、100台強の各種軍用車両を使い、12カ月にわたってさまざまな速度と天候条件下でテストを実施した結果、RFID技術を使用することでセキュアかつ効率的で、堅牢性と信頼性の高い車両認識が可能になることを実証したと発表した。同試験はNXP、Tönnjes、Kirpesteinの3社が共同で行ったもので、NXPはナンバープレートへの組み込み技術を提供した。

実地試験はオランダのオイルスコート基地で2015年に開始。乗用車とトラックにパッシブRFIDチップを埋め込んだナンバープレートとフロントガラス・ラベルを取り付けたほか、相互認証済みのリーダーを橋脚形ゲートに取り付けることで、通過する車両のナンバープレートとフロントガラス・ラベルに埋め込まれた、暗号化されたチップIDの連続的な読み取りを行った。実地試験で使用されたRFIDチップは、NXPの長距離暗号技術「UCODE DNA」を採用。同技術は最新のセキュリティ標準に対応しており、間隔が最大で12m、走行速度が最大で150km/hの車両に対しても、暗号認証による車両認識を実現した。

NXPは同技術について「UCODE DNAチップは権限を持つ当事者だけにID情報を開示するように設計されています。チップはID情報を非常にセキュアな形で送信します。それにより、対応する秘密暗号キーへのアクセス権が与えられた定置型やハンディー型のRFIDリーダーだけが情報を解読できます」と説明している。

実地試験の様子