元サッカー選手の中山雅史氏とお笑いコンビ・アンタッチャブルの山崎弘也がMCを務めるテレビ朝日系バラエティ特番『ゴン中山&ザキヤマのキリトルTV』(30日21:00~)では、元プロ野球選手・松井秀喜氏の"甲子園5打席連続敬遠"の裏側に迫る。

MCの中山雅史氏(左)とアンタッチャブル・山崎弘也=テレビ朝日提供

この番組は、スポーツのメインではない部分にフォーカスすることで、その競技の魅力を紹介するもの。第11弾となる今回は、1992年夏の甲子園での、石川・星稜高校と高知・明徳義塾高校の試合で起こった、松井氏の全打席敬遠(故意の四球)を、本人へのインタビューや、読唇術による試合中の選手の会話から読み解く。

超高校級スラッガーとして、高校3年生の頃から"ゴジラ"の愛称で注目されていた松井氏。当時の明徳義塾のエース・河野和洋氏も「打たせない作戦だった。松井くんに打たれるとチームが乗ってしまう」と振り返り、「彼の前後の打者をどう打ち取るかを研究していた」と明かしている。

今回番組では、松井氏への敬遠を指示した明徳義塾の馬淵史郎監督が、初めてこの真相を告白。馬淵監督は「なぜやったか、と聞かれれば、勝ちたかったから」と断言し、「松井くんに恨みなどない。ただウチが勝ちたかったからです」と真摯(しんし)に語る。

明徳義塾リードの5回表、2死無走者の場面でも敬遠され、松井氏はそこで初めて「今日は勝負してくれない」と察知。チームメイトも「今日は松井なしで戦わなければならない」と感じたという。

そこから松井氏は懸命に声を出し、仲間を激励。「何とか同点に追いつきたい、試合に勝ちたい」といった熱意が、読唇術によって明らかになる。しかし、1点リードされたまま迎えた最後の攻撃の9回表も2アウトに。ここで3番打者が打ち取られれば、4番の松井氏に打席が回らずゲームセットとなるところだったが、意地の三塁打でつないだ。

そうして回ってきたチャンスも、やはり松井氏は敬遠され、結局次の5番打者が打ち取られて、最後の甲子園が終了。この敬遠後、甲子園球場は異様な空気に包まれたというが、松井氏は歩いた先の一塁ベース上で静かに目をつぶり、あることを祈っていたという。

なお、この番組は当初、6月12日に放送される予定だったが、モハメド・アリ氏の追悼番組が緊急編成されて延期になり、今回あらためて放送される。