東京商工リサーチは7月27日、上場2218社の2016年3月期決算の平均年間給与の調査結果を発表した。これによると、上場2218社の平均年間給与は、前年より7万4000円(1.2%増)増え、622万3000円だったという。

2010年3月期の調査開始以来、上場企業の平均年間給与は6年連続で増加しており、この6年間で44万8000円上昇したとしている。前年との伸び率は3年連続で前年比1%以上を維持したが、前年の伸び率1.8%増には届かず0.6ポイント鈍化したとのこと。

業種別で平均年間給与が最も高かったのは金融・保険業の704万6000円だった。以下、不動産業(704万4000円)、水産・農林・鉱業(696万5000円)、建設業(691万5000円)と続く。

最低は小売業の512万8000円で、6年連続で最低となった。ただ、小売業の平均年間給与は6年連続で増えており、2016年3月期の伸び率は前年比1.9%増と3番目に高かったという。

3月決算上場企業2218社 業種分類別 平均年間給与 資料:東京商工リサーチ

増加率トップは不動産業(前年比2.5%増)だった。これに建設業(同2.1%増)が続いており、上位2業種が前年比2%以上の高い伸び率だった。両業種の増加について、「都心部の再開発案件など不動産・建設セクターの活況が大手デベロッパーやゼネコンの業績を押し上げ、平均給与の増加につながった」と同社は見ている。

個別企業の平均年間給与トップは、不動産投資業の日本商業開発の1741万円だった。前年は1000万円(42位)だったが、2015年3月期の好業績で従業員のインセンティブ収入が増えたことなどが要因だという。

第2位はファナック(1571万円)、第3位は野村ホールディングスとなった。上位には例年通りテレビ、総合商社、大手金融機関などが並び、上位50社のうち、前年も50位以内のランクインは43社と8割を超え、高水準給与の企業は固定化しつつあるようだ。