歌手・桑田佳祐が、原作・主演・監督を内村光良が務める映画『金メダル男』(10月22日公開)の主題歌として、最新曲「君への手紙」を提供することが27日、発表された。桑田がソロ名義で映画の主題歌を担当するのは、『闇の子供たち』(08)の「現代東京奇譚」以来、8年ぶりとなる。

歌手の桑田佳祐

本作の主題歌には「桑田さんしかいない」という明確なイメージを抱いていた内村監督。作品のDVDと共にその熱い思いを直筆で手紙にしたためたところ、DVDを観てから1週間後、桑田からの返事が「君への手紙」として届く。曲を聴いた内村監督は、感動のあまり男泣きしたという。

一方の桑田は「最後は不覚にも泣けました」と回顧。本作を「その根底には、御家族や共演者を見守る、とても温かく誠実なウッチャンの目線が感じられ、御自身の自己戯画的な描き方は、まさに久しぶりの『社長漫遊記』や『無責任シリーズ』と居並ぶ、喜劇の傑作だと思いました」と絶賛している。

中学生時代、テレビで見た「勝手にシンドバッド」(78)がきっかけでファンになった内村監督にとって、桑田は憧れの存在。フジテレビ系『夢で逢えたら』(88~91)の初代オープニング曲に、サザンオールスターズ「女神たちへの情歌(報道されないY型の彼方へ)」が採用された縁で、番組オープニング映像の現場で初めて対面。内村監督は、あまりの緊張でほとんど話せなかったという。

その後もTBS系『ウンナンのホントコ!』(98~02)内の「未来日記III・3人のクリスマス」にてサザンの「TSUNAMI」(00)がテーマソングとなったほか、ソロの「白い恋人達」(01)のPVや、09年の「桑田佳祐の音楽寅さん ~MUSIC TIGER~」内でのコントに内村監督が出演。また桑田が療養中の2010年にはラジオ番組『やさしい夜遊び』にゲスト出演するなど、公私にわたって長年親交を深めてきた。

このようなつながりから生まれた同曲。バラードのメロディに乗せ、歌詞には、本作で内村とHey!Say!JUMP・知念侑李が二人一役で演じた"愛すべき全力バカ"の主人公・秋田泉一や夢を追う人々への応援、挫折した悔しい思いを包む優しさが込められている。

■内村光良監督のコメント

中学2年の時から現在までサザンオールスターズ、桑田さんはずっとずっと特別な存在です。自分の人生の節目には いつもサザンの、桑田さんの歌声がありました。そしてこれからも――。

映画の主人公・秋田泉一の生き様を歌い上げてもらうには桑田さんしかいない、そう勝手に思いこんでダメもとでお願いしました。映画の元になった舞台のDVDや未完成の映画のDVDと共に手紙を添えてお願いしました。

それが『君への手紙』というタイトルで贈られてきた時、男泣きしました。自分にとって一生の曲となりました。

多くの方にこの曲を聴いて頂きたい心の底からそう願っています。

内村光良監督