信州大学は7月25日、筋力が低下した患者の下肢に装着し、歩行の動作を支援するパンツタイプのロボティックウェア「curara」の試作モデル開発に成功したと発表した。

curaraは、信州大学繊維学部 橋本稔教授らの研究チームが、要介護者の自立支援を目指して開発してきた身体装着型のロボット。手足の主な関節部分に、小型軽量化したサーボモータと減速機を一体化したユニットを装着し、センサーが読み取った装着者の動きに追従して歩行動作をアシストする「同調制御システム」を採用している。

同研究グループは、昨年10月に全身型の試作機を完成させていたというが、装着の際に各パーツをひとつずつバラバラに取り付ける必要があり、ひとりでは装着しにくく装着時間も15分かかるなどといった課題があったため、2015年4月よりパンツ型ロボティックウェアの開発に着手していた。

今回開発されたパンツタイプの試作モデルは、股関節とひざ関節の4カ所にユニットを取り付けたウェアで、介助なしで装着でき、装着時間も3分ほど。病気や高齢化で足腰の弱った患者やリハビリ用の医療・介護ロボティックウェアとして、数年後の実用化を目指しているという。

7月21日に文部科学省情報ひろばラウンジで行われた発表会の様子