日立ハイテクノロジーズ(日立ハイテク)と理化学研究所(理研)は7月21日、光-電子相関顕微鏡法(CLEM)用システム「MirrorCLEM」を開発したと発表した。電界放出型走査電子顕微鏡(FE-SEM)「SU8200シリーズ」に搭載されるシステムとして、7月25日に日立ハイテクより発売される。

昨今、電子顕微鏡と蛍光顕微鏡のように異なる種類の顕微鏡を用いて観察するCLEM(Correlative light and electron microscopy)が開発・報告されているが、倍率領域・観察項目が異なる顕微鏡同士での同一箇所の観察については課題があった。

同システムは、日立ハイテクと理研環境資源科学研究センター 豊岡公徳上級研究員らの研究グループが開発したもので、FE-SEMを用いて迅速かつ正確なCLEM解析を支援する。樹脂切片を光学顕微鏡を用いて低倍率からターゲット構造が明瞭に観察される高倍率まで観察した後、観察位置情報をFE-SEMのステージ位置情報と同期させたうえ、ステージの外部制御を行うことで、FE-SEMによる同一箇所の観察が可能になる。

また、光学顕微鏡とFE-SEMのオーバーレイ画像のリアルタイム表示も可能となっており、実際に、シロイヌナズナの根や子葉においてGFP蛍光を放つペルオキシソームの微細形態が、同システムを搭載した日立ハイテクのSU8220形FE-SEMによって明らかになっている。

日立システムによると、年間50セットの販売を見込んでいるという。

光-電子相関顕微鏡法(CLEM)用システム「MirrorCLEM」の全体イメージ