JR西日本は20日、近畿エリアの12路線・のべ300駅に駅ナンバーを導入すると発表した。2018年3月から使用開始予定で、路線記号・ラインカラーと組み合わせて駅ナンバリングを転換していく方針だという。

駅ナンバー導入後の近畿エリアのJR路線図(画像はすべてJR西日本提供)

同社は「中期経営計画2017」における「海外からお越しのお客様の受入態勢の充実」の一環として、近畿エリアを中心に駅・車両の案内表示の更新を進めている。近畿エリアでは2014年度、計21種類の路線記号(A~L・O~W)とラインカラーを導入。来年3月には新快速の種別表示にも路線記号を取り入れる予定で、これにて近畿エリアのJR世代車両への路線記号の表示が完了するという。

駅ナンバーの導入はこれら一連の取組みの仕上げとなる。路線記号を付けた近畿エリアの路線のうち、海外からの利用者がとくに多い路線(A~H・O~Sの12路線)に関して、おもな始終着駅間に連番で駅ナンバーを導入。他社路線の駅を含む都市路線図・地図や案内表示などでは、社名の「JR」を冠した表記とする。相互直通列車の多い路線では、分岐駅の駅ナンバーを共通とし、そこから連番とするとのこと。

新快速が運行される北陸本線米原~敦賀間と琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線(東海道・山陽本線米原~姫路間)では、敦賀駅「JR-A01」から姫路駅「JR-A85」まで連番で駅ナンバーを導入。大阪駅は「JR-A47」、尼崎駅は「JR-A49」となり、これに合わせてJR宝塚線(福知山線)の駅ナンバーも大阪駅「JR-G47」・尼崎駅「JR-G49」となる。尼崎駅ではJR東西線の駅ナンバーも「JR-H49」と表示される。

京都・高槻方面からJR宝塚線(福知山線)へ直通する普通列車の車内液晶表示器の表示イメージ。塚本駅までJR京都線・JR神戸線、尼崎駅からJR宝塚線の駅ナンバーが表示されている

JR宝塚線の駅ナンバーは大阪~篠山口間の各駅で導入され、篠山口駅の駅ナンバーは「JR-G69」。JR東西線・学研都市線(片町線)の駅ナンバーは尼崎~木津間の各駅で導入され、木津駅の駅ナンバーは「JR-H18」となる。

京都駅の駅ナンバーは琵琶湖線・JR京都線の「JR-A31」、湖西線の「JR-B31」に対し、奈良線は「JR-D01」、嵯峨野線(山陰本線)は「JR-E01」に。湖西線の駅ナンバーは敦賀駅「JR-B08」から連番としており、新疋田駅・近江塩津駅の駅ナンバーも北陸本線とは異なる。奈良線の駅ナンバーは京都駅から奈良駅まで連番だが、木津駅は「JR-D19」で学研都市線や大和路線(関西本線)とは異なる駅ナンバーとなり、平城山駅・奈良駅の駅ナンバーも大和路線とは共通していない。嵯峨野線の駅ナンバーは京都駅から園部駅まで連番となる。

大阪環状線は天王寺駅「JR-O01」から新今宮駅「JR-O19」まで連番となり、大阪駅の駅ナンバーは「JR-O11」でJR京都線・JR神戸線・JR宝塚線の番号とは異なる。西九条駅は大阪環状線の「JR-O14」に合わせ、JRゆめ咲線(桜島線)の駅ナンバーも「JR-P14」に。今宮駅・新今宮駅は大阪環状線・大和路線で共通する駅ナンバーを導入している。大和路線の駅ナンバーはJR難波駅「JR-Q17」から加茂駅「JR-Q39」まで連番となり、天王寺駅の「JR-Q20」に合わせて阪和線の駅ナンバーも「JR-R20」とされた。

阪和線は東羽衣駅を除く全駅で駅ナンバーを導入。日根野駅の駅ナンバーは阪和線「JR-R45」・関西空港線「JR-S45」で、関西空港駅の駅ナンバーは「JR-S47」となった。なお、2019年春開業予定のおおさか東線北区間(新大阪~放出間)をはじめ、JR京都線摂津富田~茨木間、嵯峨野線京都~丹波口間、大和路線郡山~奈良間などに開業予定の新駅にも駅ナンバーが用意されている。

JR西日本によれば、駅ナンバーは「海外からお越しで『駅ナンバー』を活用されるお客様に対する付加サービス」との位置づけだという。各路線を走る車両のLED表示器や車内液晶表示器、各駅のひらがな駅名標、路線図(ウェブ掲載も含む)などに導入し、「海外向けホームページの案内情報の充実と駅・車内からQRコードによるWEBページへの誘導を組み合わせることで、出発前でも、"KANSAI"に到着されたあとにも、お客様がお持ちのスマートデバイス端末を活用いただきやすい環境を整えてまいります」としている。