宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月14日、文部科学省の宇宙開発利用部会において、運用断念となったX線天文衛星「ひとみ(ASTRO-H)」の後継機を、2020年を目標に打ち上げる計画を検討していることを明らかにした。

後継機には、軟X線分光検出器(SXS)を中心に搭載される予定。早期かつ確実な設計・製造を目的とするため再製作を基本としつつ、ASTRO-Hの対策を取り込んでいく考えだ。

JAXAは、「国内外の宇宙物理学の意義を踏まえ、ひとみ喪失に伴うX線領域観測12年の空白を埋めるために、ASTRO‐Hの超高分解能分光性能を活かすことに基本とした後継機を速やかに製作して、目指していた科学的成果を早期に創出することが重要と考えている。また、人材育成等の観点からも速やかにX線領域の観測を行い、空白期を短くする必要がある」とコメントしている。

ASTRO-H後継機の概要案 (出典:JAXA)

ASTRO-H事故を踏まえた設計見直し (出典:JAXA)