DMMでんきのロゴマーク

DMM.comが「DMMでんき」を開始した。電力といえば2016年4月に電力小売自由化が実施され、多くの企業がこの事業に参入した。だが、DMMでんきは、家庭向け電気「低圧」を扱うPPS(新電力)と呼ばれるそれらの企業とは異なり、工場やスーパー向けとなる「高圧」を扱う。しかも“売電”ではなく、電力比較およびマッチングが主事業になる。

高圧は50~500kWに需要家向け電力で、2004年から自由化されている。こうした需要家にとって、もっともお得になる電力会社を探し出すのは困難だ。そこで、需要家と電力会社のマッチングを行えるようスタートしたのがDMMでんきだ。

基本的には電気料金比較サイト「エネチェンジ」のシステムを利用する。エネチェンジは2002年に電力自由化したイギリスで誕生し、2015年に日本に参入した。「日本最大級の電力比較サービス提供会社」をうたっている。

そのエネチェンジと提携してDMM.comが電力事業に乗り出した理由は何か。その最大の理由はB to B事業のイメージ強化だろう。DMM.comは男性向けエンターテインメント事業のイメージが強い。だが、こうしたB to C事業だけでなく、B to B事業も強化したい考えだ。

たとえば「DMM英会話」。これは、個人向け英会話レッスンではなく、グローバルで活躍できるビジネスパーソンを育てたい企業向けサービスだ。また、「モノづくりのためのプラットフォーム」を称する「DMM.make」も運営している。

DMM.makeのホームページ

DMMでんきは、工場など高圧小口の需要家に対し、DMMがB to B事業に参入していることをアピールする目的も担っているのだ。