日本生産性本部「職業のあり方研究会」と日本経済青年協議会は共同で、新入社員の「働くことの意識」に関する調査結果を発表した。調査は3月11日~4月28日、平成28年度の新社会人1,286名を対象に行われ、今回で48回目。

「楽しい生活をしたい」から働く

「働く目的」

働く目的について質問したところ、平成12年度以降急増している「楽しい生活をしたい」が最多となり、過去最高(41.7%)を更新。一方、「自分の能力をためす(12.4%)」や「社会に役立つ(9.3%)」は低下傾向が続く結果に。また、働き方についても聞いたところ、「人並みで十分(58.3%)」が過去最高を記録した。

仕事よりも私生活・デート重視派が増加

「仕事か私生活か」

次に、「仕事」中心か「(私)生活」中心か尋ねたところ、常に「両立」という回答が多数を占め(グラフでは省略)、今年度は80.3%だった。「(私)生活」中心という回答は平成3年(22.8%)をピークに下がり続け、一時「仕事」中心が上回ったが、平成24年を底に「(私)生活」中心が再び増加。今年度は「(私)生活」中心(11.0%)が「仕事」中心(8.6%)を上回る結果となった。

「デートか残業か」

また、「デートの約束があったとき、残業を命じられたら、あなたはどうしますか?」という質問に対しては、「デートをやめて仕事をする」が76.9%、「断ってデートをする」が22.6%と、全体としては仕事を優先する傾向が引き続きうかがえるものの、ここ数年はやや「デート派」が増加傾向にあることがわかった。

男性は「部長」、女性は「専門職」を目指す

「どのポストまで昇進したいか」

最後に、「どのポストまで昇進したいか」尋ねたところ、最も多かったのは例年通り「専門職(スペシャリスト)」(17.8%)だったが、その割合は過去最低を更新。男女の違いが大きく、男性は「部長」(24.1%)、女性は「専門職」(22.3%)が最多だった。

10年前(平成18年度)と比べると、男性では「社長」という回答が大きく減り(24.8%→15.9%)、部長が増加(20.7→24.1%)。一方女性では、専門職志向が低下し(35.2%→22.3%)、「課長+係長+主任班長」という回答が増加した(18.9%→30.8%)。女性の昇進志向が高まってきている一方で、「役職に付きたくない+どうでもよい」(25.5%→29.6%)と回答した女性も増えており、二極分化傾向にあることが見て取れた。