イメージ認識技術を開発している仏スタートアップMoodstocksを米Googleが買収した。Googleの仏法人とMoodstocksが7月6日に明らかにした。Moodstocksの研究者とエンジニアはGoogleのパリを拠点とするR&Dチームに加わり、同社のスマートフォン向けイメージ認識APIとSDKの提供は終了になる。

Moodstocksはオンデバイスのイメージ認識技術を2012年に発表し、ディープラーニングを応用してイメージ認識からオブジェクトを認識する技術の強化に努めてきた。「人の眼と同じぐらいのスピードで現実世界のモノを認識するのがわれわれの目標」としており、実際にそのオブジェクト認識のスピードが注目を集めていた。一時はコンシューマ向け製品の開発にも取り組んでいたが、事業として成長せず、サードパーティがiOSアプリおよびAndroidアプリに同社の高速なイメージ認識を実装できるイメージ認識APIとSDKの提供に専念していた。

GoogleにおいてMoodstocksの技術がどのような製品に利用されるかは不明だ。同社の技術はカメラを人の眼に相当するセンサーに変える取り組みであり、カメラを通じて周囲の空間をモバイルデバイスに構築してAR体験を実現する「Tango」への活用が期待されている。また写真サービス「Google Photos」の画像認識に使われる可能性も指摘されている。