リコーは7月6日、ファイバーカップリング式808nm帯半導体レーザー「ハイパワーVCSELモジュール」を開発したと発表した。

同社はこれまでに、プロダクションプリンターなどの書き込み光源として商用化したVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)素子を用いた新しいアプリケーションの開発を行ってきた。

同モジュールでは、VCSEL素子の発光効率の向上、発光チャンネルの大規模集積化により、アレイの大幅な高出力化を実現。VCSELアレイ単体の出力310W、モジュールとしてのファイバーアウト出力200Wを達成した。

また、VCSELはその構造上、従来の端面発光レーザーに比べ波長の温度安定性が10倍程度高く、温度変化に対する波長安定性に優れており、レーザー点火プラグヘッドのレーザー結晶などに使われる固体レーザーの励起においては、精密な温度コントロール装置が不要となり、VCSELモジュールの大幅な小型化が可能となる。

同社は今後、レーザー加工機、レーザーパターニング等の表面加工、非熱加工、センシングといった用途への展開を見据えているという。

「ハイパワーVCSELモジュール」にファイバーと空冷装置を装着したもの(左)と「ハイパワーVCSELモジュール」(右)