2015年度に発生した駅係員や乗務員などの鉄道係員に対する暴力行為の件数が4日に発表され、前年度よりわずかに少ない792件だったことがわかった。日本民営鉄道協会加盟各社やJR旅客6社、東京都交通局など84社局は、7月8日から暴力行為防止ポスターをいっせいに掲出し、暴力根絶を呼びかける。

暴力行為防止ポスター「パトロールトレイン」(列車内用)

今回、集計を行ったのは大手私鉄16社とJR旅客6社など計33社局。前年度の暴力行為件数(800件)より8件減少して2年ぶりに800件の大台を下回ったが、大幅な減少には至らなかった。発表されたデータによれば、暴力行為は22時以降の深夜時間帯に集中しており、その多くは酒気を帯びた加害者によって引き起こされたという。曜日別では、金曜から日曜の週末に多く発生したこともわかった。加害者の年齢層に大きな差異はなかった。

これを受けて、鉄道事業者84社局は8日から、駅構内や列車内などに暴力行為防止ポスター「パトロールトレイン」を掲出。パトカーをモチーフとした電車を描くことで警察の存在を連想させ、暴力行為が犯罪であることを強調することで抑制効果を図る。

このポスターは駅構内に約7,500枚、列車内に約6万1,000枚掲出する予定。掲出期間は9月7日までとなっている。