本稿では、弊誌にて掲載しきれなかった国内の大学・研究機関の研究成果に関するニュースリリースをご紹介する。今回は、6月27日~7月1日付けのリリースからお届けしたい。 宇宙・物理系 東北大、単結晶プラチナ薄膜のスピン伝導機構解明 OIST、混ざり合う液体の相互作用を観測 KEK、永久磁石材料の内部磁気構造を定量評価する手法を開発 物質・材料・化学系 産総研、イオンを見分けるセパレーター 九大、カーボンナノチューブの新しい発光機能を創出 京大、ロジウムを凌駕する排ガス浄化触媒活性を有する新規合金ナノ粒子 京大、液中原子間力顕微鏡を用いた溶媒和構造測定のための分析理論を作成 東北大など、化学と数学でひもとくベルト状分子の構造 NIMS、燃えにくい電解液を用いた高性能4.6 Vリチウムイオン電池 バイオ・生命科学系 理研、免疫を活性化させるミクロシナプス構造を発見 東大、アミロイド構造のみを区別して酸素化する光触媒を開発 京大、狙った神経伝達物質受容体を選択的に活性化できる新たな手法を開発 理研、脂質分解酵素が細胞膜をチューブ状に変形する活性があると発見 東大、ミトコンドリアゲノムの解読に必須なメチル化酵素を同定 ATR、細胞の「かたち」が運命を決定する新しいメカニズムを解明 阪大、精巣で多く発現しているのに生殖能力に必須ない遺伝子が54個 医療系 東大、病原体の感染を察知し炎症応答を誘導する自然免疫分子の活性化機構を解明 新潟大、口腔がん細胞の浸潤に関与する因子を新手法で解明 国循、慢性血栓塞栓性肺高血圧症におけるバルーン肺動脈形成術後の心臓リハビリの有効性を確認 理研、後縦靭帯骨化症の発症に関わる遺伝子RSPO2を発見 理研、がん免疫の課題を克服する治療モデルを構築 阪大、心筋肥大を制御する新たなメカニズムを解明 その他 農工大、いつでもどこでも運動学習能力を測るアプリを開発 理研、並列計算で感覚情報を分解 京大、自由診療で幹細胞治療を提供する民間クリニックのウェブサイトを調査 JAEAなど、断層運動で損傷した岩盤の自己修復機能を確認 東大、重粒子線放射線照射が全身に与える影響 三重大、イヌ・ネコの仲間が進化の歴史のなかで繁栄した原因 東工大、ビフィズス菌が優勢になる乳児の腸内フローラ形成機構を解明 東北大学などは、ナフタレンからつくった筒のような構造を持つベルト状分子の柔らかさについて、パネルの枚数を何枚にすればパネルが回転しない堅いカーボンナノチューブのような構造になるのか、数学と有機化学の組み合わせによって解明した