大日本印刷は、「秀英角ゴシック金M」「秀英角ゴシック銀M」「秀英アンチック」「秀英四号かな」「秀英四号太かな」の計5書体を、モリサワにライセンス提供すると発表した。同書体は、2016年9月にDTP用のフォント製品として発売されるほか、Webフォントサービスでも提供される予定となっている。

書体見本。アンチック、四号かな、四号太かなは、かな文字のみの書体。上記サンプルは、秀英体の最適な漢字や英字と組み合わせて表示したもの。

モリサワは、2009年からDNPのライセンスに基づいて秀英体フォントの16書体を発売しており、今回、その第6弾として5書体が追加され計21書体となる。フォーマットはOpenTypeフォント、秀英体ではじめて、隣り合う文字の組み合わせ毎に設定した文字詰め機能「ペアカーニング」に対応している。

「秀英角ゴシック」は、ゴシック体としての視認性の高さと、本文用としての読みやすさを重視して開発した書体で、かなのデザインの違いで「金」と「銀」の2種類がある。これまでの「L(ライト:細字)」と「B(ボールド:太字)」の2つの太さに加え、その後のユーザー評価に基づき、幅広い世代が電子書籍等の画面でも読みやすいと感じるLとBの中間の太さの「M(ミディアム:中太字)」が新たに開発された。

また、辞書の見出しやコミックの吹き出し(せりふ)などに使用されてきた「秀英アンチック」、現在の秀英明朝のルーツとなる「秀英四号かな」、見出しや児童書の本文に用いられていた「秀英四号太かな」の3書体の中でかな文字のみが復刻された。それぞれ、秀英体のかなの金属活字が持っていた優美なデザインという伝統を継承しつつ、その魅力をさらに高めたということだ。なお、「秀英アンチック」は「秀英角ゴシック金 B」と、「秀英四号かな」は「秀英明朝 M」、「秀英四号太かな」は「秀英初号明朝」と、それぞれの漢字や英数字・記号と組み合わせての利用が推奨されている。

販売方法は、モリサワのフォント製品「MORISAWA PASSPORT」、「MORISAWA PASSPORT ONE」、「MORISAWA PASSPORT アカデミック版」、「MORISAWA Font Select Pack 1/3/5/PLUS」として販売するほか、モリサワのクラウドフォントサービス「TypeSquare」でも提供されるということだ。