ルネサスエレクトロニクス(ルネサス)は6月30日、100Gbトラフィッククラスのルーター、スイッチ、サーバーなどの通信機器向けに、パケットヘッダ検索リファレンスデザインを提供開始すると発表した。

近年、ネットワークにつながるモノと流通するデータ量が急増しているため、ネットワークの高速化が進んでおり、特にデータセンター内のトラフィックスピードは40Gbから100Gbへの切り替えが進んでおり、検索エントリー数も増加傾向にある。一方、ネットワーク機器の高速化に伴う消費電力の増加が、パッケージの熱や電力コストの問題を引き起こしているほか、SDN/NFVの普及により、ソフトウェアからネットワーク構成を頻繁に変更されるため、柔軟に設定を変更できるネットワーク機器が求められている。

今回発表したリファレンスデザインは、すでに発売している低消費電力のLLDRAM(Low Latencyメモリ)「LLDRAM-III」を使用し、新たに開発したFPGA向け完全一致検索IPと、LLDRAM-IIIコントロールIP、および開発サポートツールを提供するもの。

同リファレンスデザインは100Gbトラフィックで100万エントリー以上のパケットヘッダ検索を40Gbトラフィック相当の電力である2Wで実現するとのことで、これは、メモリにDRAMを使用した場合と比べてメモリデバイス数を1/15に、メモリの消費電力を60%削減できることになる。また、検査キー長を任意に設定できる機能を有しており、新しい通信プロトコルに対しても検索IPの設計変更が必要ない。さらに、検証済みのリファレンスデザインを提供するため、ネットワーク機器設計の開発期間を約6カ月短縮できるとしている。