MathWorksは6月29日、MATLABの最新アップデート版「Release 2016a」のControl System ToolboxにControl System TunerとModel Reducerアプリを追加したと発表した。

Control System Tunerを使用することで、MATLABおよびSimulinkでSISOまたはMIMO制御システムの自動調整を行うことが可能となる。具体的には、ゲイン、PIDコントローラーまたは低次フィルターなどの調整可能な要素を持つMIMO制御システムのパラーメーターを調整することができ、設定値追従、外乱の制御および安定余裕などの設計要件を指定して、その要件を満たすように制御システムのゲインを自動調整することができる。

一方のModel Reducerは、アプリケーションにとって重要なモデルダイナミクスを保持しつつ、ユーザーが対話的に線形時不変モデルを単純化するアプリ。同アプリを使用すると、エネルギー寄与率の低い状態の除去、関心の高いモードの選択、極/零点の相殺を実行することが可能となる。また、R2016aでは、Control System Designerアプリも再設計され、ボード、根軌跡および閉ループのステップ応答などのプロットを1つのウィンドウに結合して、複数の制御設計を比較できるようになった。

これらの新アプリについてMathWorksは「R2016a の Control System Toolbox はさらに強力で簡単に使用できるようになります。新しいControl System Tunerアプリは、経験豊かなエンジニアでも数日または数週かけて行うことが多いタスクである、複雑な多変数のコントローラーの自動調整を数秒で行うことができます。さらに、新しいアプリおよび再設計されたアプリはビギナーにも最適であり、複雑なスクリプトを作成しなくても複雑なコントローラーを設計し、複雑なモデルを単純化できます」とコメントしている。